脳血管性認知症とは?治療・予防法を徹底解説

脳血管性認知症

脳血管性認知症という”認知症”をご存知でしょうか?

1980年代まで日本では、脳血管性認知症が大多数を占め、認知症の原因疾患として1位でした。その後、高血圧のコントロールや生活習慣の見直しが進み、脳血管障害のみで重度の脳血管性認知症になる方の割合は減少傾向になりました。
そして、1990年代に入ると、認知症の原因疾患一位の座をアルツハイマー病についに明け渡し、さらに近年、2位の座もレビー小体型認知症に譲るに至りました。

それでも、”脳血管性認知症”と”その他の認知症(アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症)”を併発する混合型認知症の割合は依然として高く、脳血管障害の影響は無視できないものです。

したがって、この記事で”脳血管性認知症”についての理解を深めて頂ければと思います。

脳血管性認知症とは、どんな病気?

脳血管性認知症(英:Vascular dementia)とは、脳梗塞などの脳血管障害の影響を受けて発症する二次性認知症の代表です。脳血管障害とは、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血の総称です。

要するに、脳血管障害が原因で生じる認知症のことを脳血管性認知症と呼びます。

脳血管障害とは?

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など脳血管障害にはいくつか種類があります。その中でも、脳梗塞は脳血管性認知症の原因となりやすい疾患として群を抜いています。特に、小さな脳梗塞(ラクナ梗塞)を多発する多発性脳梗塞が大多数を占めています。

ラクナ梗塞が脳血管性認知症の主な原因疾患

ラクナ梗塞

”ラクナ梗塞”は小さな脳梗塞のため、何の症状も現れず発症したことさえ気づかない”無症候性脳梗塞”のケースが多く存在します。その為、血圧をコントロールする薬や生活習慣の見直しも行われることが少なく、複数の脳梗塞を発症する”多発性脳梗塞”へと移行してしまうこともしばしばです。

しかし、多発性脳梗塞を発症し、10年以上経過すると、高確率で脳血管性認知症を発症します。また、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症だけでなく、脳血管性認知症を併発することで症状が加速度的に進行したり、治療を困難にしたりと認知症の予防や治療に大きな悪影響を与えてしまうのです。

脳梗塞の症状と原因を徹底的に丁寧に解説混合型認知症とは?混合型の予防に必要な2つのポイント

脳血管性認知症の本当の原因とは

生活習慣病

脳血管性認知症の原因の多くは、脳梗塞その中でもラクナ梗塞が多いことは先ほどご説明いたしました。では一体、脳梗塞やラクナ梗塞はどういった原因によって引き起こされるのでしょうか?

ずばり、脳梗塞やラクナ梗塞の原因は動脈硬化です。

脳血管障害の原因は動脈硬化

動脈硬化の主な原因は、次の4つです。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 悪玉LDLコレステロール
  • メタボリックシンドローム

下の記事を参考に、動脈硬化を予防するとともに、脳血管性認知症の予防にも努めて下さい。

動脈硬化を改善する4つの予防・治療法

脳血管障害の経過と症状

アルツハイマー型認知症は健康的な女性に多い病気ですが、脳血管性認知症は、動脈硬化が進んだ男性に多い傾向があります。そして、脳血管性認知症を発症しやすい人は高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病を患っている人です。

脳血管性認知症の経過は段階的

脳血管性認知症段階的

脳血管性認知症は、段階的に症状が進行する階段タイプの認知症です。アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症(ピック病)は、何年かの歳月をかけて進行する坂道タイプの認知症です。

したがって、脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害を起こす度に急に症状が悪化し、それがハッキリと分かる段階的な進行を示します。

脳血管性認知症の主な症状

脳血管性障害症状

脳血管障害の主な特徴には、次のようなものがあります。

認知機能の低下 記憶障害などの認知機能の低下もみられますが、比較的軽いです。視空間認知障害が目立つといったことがあります。また、分からないことを周囲にとりつくろわない、熟考する等の点がアルツハイマ―型認知症とは異なる特徴です。
感情失禁 前頭葉の障害により、感情が上手くコントロールできず、些細なことで怒ったり(易怒)、泣き出したり、笑ったりするようになります。
運動障害 運動機能に様々な障害が現れます。尿失禁、足を引きずる(歩行障害)、握力が無くなるといった運動障害が生じます。
言語障害(構音障害) ブローカ中枢という発語を司る部位が障害されることで呂律が回らなくなる(構音障害)が現れます。
抑うつ症状 脳血管性認知症を発症するとしばしば抑うつ状態に陥ることがあります。表情は暗く、動作はゆっくりと遅くなります。夜になると徘徊やせん妄が出て、悪化すると昼夜逆転を起こすこともあります。
病識がある 比較的病識(認知機能の低下があることの自覚)もあります。

また、脳血管性認知症の場合は、ある特定の認知障害だけが目立つことが多く「まだら認知症」と呼ばれることもあります。

脳血管性認知症の予防・治療法

先ほど、脳血管性認知症は、脳梗塞を起こす度に悪化すると説明しました。まさに、ここに脳血管性認知症の予防・治療のヒントが隠されているのです。

皆さん脳血管性認知症の予防・治療法についてもうお気付きでしょうか?そうです!脳梗塞や脳出血などの脳血管障害を発症しなければ良いのです。

脳血管障害の予防・再発予防こそが、脳血管性認知症の最大の予防法・治療法なのです。

生活習慣の改善|脳血管性認知症の予防・治療

脳血管性認知症予防

脳血管性認知症の原因は、生活習慣の乱れが招く動脈硬化です。先の肥満や糖尿病といった生活習慣の改善を図るだけでも、脳血管性認知症の発症や進行の抑制効果が期待できます。また、過度の飲酒や禁煙、運動不足も脳血管障害を招く原因となります。

したがって、生活習慣の改善、禁煙、節酒、運動不足の解消に努めることでも脳血管性認知症の予防・治療が期待できます。またそれだけでなく、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の予防・治療に繋がるのです。

脳血管性認知症の介護とリハビリ

リハビリ

何度も言うように、脳血管性認知症は脳血管障害(脳梗塞や脳出血)を原因とするものです。脳血管障害を発症すると、後遺症や麻痺などが残ることが多々あります。

麻痺で体の自由が利かず寝たきりになると拘縮や床ずれといった「廃用症候群」を患いやすくなります。また、失った運動機能を取り戻すリハビリテーションも必要になってきます。したがって、脳血管性認知症の介護では次の2つの点に気を付けなければいけません。

  • 廃用症候群の予防
  • リハビリテーション環境の充実

廃用症候群予防リハビリテーションの基礎知識

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