動脈硬化を改善する4つの予防・治療法

動脈硬化

動脈硬化は別名「サイレントキラー」つまり「静かな殺し屋」と呼ばれていることをご存知ですか?

動脈硬化は、気づき難く知らず知らずのうちに重症化しているケースがほとんどです。そのまま、動脈硬化を放置しておくと脳梗塞や心筋梗塞を引き起こし、寝たきりや死亡することもあります。

日本人の死因の3割は動脈硬化を原因とした脳梗塞や心筋梗塞などです。

したがって、動脈硬化を予防・治療を徹底することが、いつまでも健康で居続ける為の最善の介護予防と言っても過言ではないでしょう。

動脈硬化って何?

動脈硬化症とは

動脈硬化

動脈硬化の予防法を確認する前に、その正体について確認しておきましょう。

動脈硬化症とは、「動脈の壁が厚く・硬くなることで、動脈本来の機能が低下ないしは損なわれる病変」の総称です。動脈硬化は、その名の通り動脈(心臓から全身に血液を送る血管)が硬くなる症状です。

動脈硬化症は動脈の柔軟性が失われ、もろくなる

動脈硬化症の原因

私たちの動脈は、心臓から全身、全身から心臓へと血液を運ぶポンプのような働きを担っています。そのため動脈は本来とてもしなやかで、強さと弾力性を持ち、まるでポンプのように全身に血液を送り届けます。

動脈を流れる血液は、全身の臓器が正常に働くために必要な酸素や栄養を運んでいます。

しかし、高血圧や肥満といった生活習慣病などが原因で、本来動脈が持つしなやかさや弾力性が失われることで動脈硬化を引き起こしてしまうのです。

動脈硬化になると、動脈瘤どうみゃくりゅうにより動脈の内側の壁が盛り上がって血液の通り道が狭くなったり、傷ついたりして血液の流れが悪くなります。つまり、動脈硬化とは、心臓から身体の様々な部位に血液を送る動脈の壁が、硬く厚くなって弾力性を失い、動脈自体がもろくなることです。

そして、動脈硬化で血液の流れが悪くなると、全身の臓器は十分な酸素や栄養が得られなくなります。例えば、以下のような重大な病気を引き起こす原因となります。

動脈硬化症が引き起こす病気

脳梗塞,脳出血

動脈硬化は様々な病気を引き起こす原因となります。

  • 動脈硬化により、心臓に栄養を送る冠動脈の血液の流れが著しく悪くなると狭心症、完全に詰まって血管がふさがってしまうと心筋梗塞を引き起こす
  • 動脈硬化により、脳の動脈が詰まれば脳梗塞を、もろくなった血管が破れれば脳出血を引き起こす

これらの病気は動脈硬化性の病気とも呼ばれ、どの病気も重篤な状態に関わることが多いです。

動脈硬化は、静かに進行していくので、自覚症状がほとんどなく見逃していることが少なくありません。しかし、動脈硬化を放置すればするほど進行していきますので、脳梗塞や心筋梗塞を起こす危険度は日に日に高まります。

脳梗塞については『脳梗塞の症状と原因を徹底的に丁寧に解説』で、脳出血については『脳出血ってどんな病気?原因・症状を大解剖』でそれぞれ詳しく解説しております。

動脈硬化予防はその原因を知ることから始まる

動脈硬化生活習慣

動脈硬化の原因は、次の2つに分けられます。

  1. 老化などの避けられない原因
  2. 生活習慣病などの予防できる原因

動脈硬化は、一種の老化現象でもあり、高齢者であれば大抵の人に多かれ少なかれ起こることです。老化は、誰にも止めようがございませんので、老化による動脈硬化は誰にも予防することはできません。

一方、生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満など)を原因とする動脈硬化は予防することが出来ます。

動脈硬化を改善する4つの予防・治療法

それでは、早速動脈硬化の予防法について確認していきましょう。

1.高血圧を予防する。

高血圧,動脈硬化

高血圧の人は、そうでない人に比べて3~4倍も動脈硬化になりやすいことが分かっています。

理由は、高血圧があると、その圧力と血流で血管壁が擦れたり傷ついたりして動脈硬化の下地を作るからです。そして、動脈硬化が進行した血管は血液が流れにくくなり、さらに血圧を上げることになります。

つまり、高血圧と動脈硬化がお互いに影響しあって悪循環的に悪化してしまうのです。したがって、高血圧を予防することが動脈硬化予防には非常に重要です。

高血圧の予防法については『血圧を下げる方法!高血圧を改善し脳卒中や糖尿病を防ぐ』詳しく解説しております。

2.糖尿病を予防する

糖尿病

糖尿病の人は健康な人より、動脈硬化が10年早く進む、2倍以上も動脈硬化による病気にかかりやすくなると言われています。

理由は、糖尿病になると血液が固まりやすくなり血栓ができやすくなることで動脈硬化を促進するためです。したがって、糖尿病予防も動脈硬化を予防することに繋がります。

糖尿病予防については『糖尿病の原因から症状・予防法に至るまで徹底解説!』解説しております。

3.悪玉LDLコレステロール値を抑える

 

悪玉コレステロールいわゆるLDLコレステロール値が高い人も動脈硬化を起こしやすくなっています。

理由は、LDLコレステロールが酸化したり糖と結合し変形LDLとなり血管に溜まり、血管を詰まらせたり血管をキズつけたりしてしまう為です。

悪玉LDLコレステロールによる動脈硬化を予防するには次の2点に気を付けなければいけません。

  1. 変性LDLがたくさんできると動脈硬化の原因となるので、元のLDLを増やさない
  2. LDLが編成する原因の1つに酸化が関係しているので、LDLが酸化することを予防すること

①に関しては『コレステロールを下げる為に知っておくべき事』で詳しく解説しております。
②LDLコレステロールの酸化には、活性酸素が影響しています。活性酸素を増やさない方法としては、次のようなものがあります。

  • たばこの煙を吸わない
  • 紫外線を浴びない日焼け止めをぬる
  • 古い食用油(酸化した油)を使わない
  • ストレスを溜めない
  • 排気ガスを吸わない
  • 過度のスポーツを行わない

4.メタボリックシンドローム・肥満を予防する

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームも動脈硬化を促進する原因です。

メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪が多い肥満がベースにあり、高血圧や血糖値が高め、中性脂肪値が高めの2つ以上が重なった状態のことを指します。それぞれの数値は飛びぬけて悪くなくても、動脈硬化を促進する因子が重なっている為、動脈硬化を引き起こす可能性が高まります。

メタボリックシンドロームを予防するには、内臓脂肪を減らすことが大切です。食べ過ぎや運動不足を解消し、エネルギーを身体に最適な量に調整することで予防できます。食事はバランス良く食べ過ぎないように、運動は有酸素運動を積極的に行い脂肪を燃焼すると良いでしょう。

メタボリックシンドロームの予防法については『メタボとは?|メタボリックシンドロームの診断基準』で詳しく解説しています。

動脈硬化の予防には生活習慣を正すことから

上記の方法で、自身の生活習慣を見直すだけでも、動脈硬化を劇的に予防できます。動脈硬化予防は最大の介護予防です。動脈硬化を予防し、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの病気を防ぎましょう。

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