社会参加や活性化リハビリで認知症や若年性アルツハイマーを治療せよ

社会参加,脳の活性化リハビリ

みなさんは認知症と知的活動や社会活動が深く関係していることをご存知でしょうか?例えば、認知症を発症するキッカケは次のようなものがあります。

  • 定年後、誰とも会わず家にいる
  • 配偶者の死
  • 入院

これらのことは、意欲の減退や孤独を生み出し精神的に不安定にするとともに、脳の活性化に必要な知的活動や他人とのコミュニケーションの機会を奪ってしまいます。なんと、独身で独居、友人も家族も訪ねてこない高齢者が認知症になる割合は、家族と同居し友人も多い高齢者に比べて8倍も高いという研究報告があるくらいです。

認知症や若年性アルツハイマー病の予防・改善には、精神的安定性や脳の活性化の為の知的活動や社会活動が必要不可欠です。それでは、実際にどういった知的活動や社会活動があるのか見ていきましょう。

頭と体を使い、人と交流する

コミュニケーション

近年、認知症や若年性アルツハイマーの治療では、「脳の活性化リハビリテーション」や「社会参加」が注目されています。

脳の前頭葉は「感情」「記憶」「コミュニケーション」などの働きを担っています。ほとんどの認知症や若年性アルツハイマー病は記憶をコントロールしている前頭葉野付近から始まります。したがって、積極的に「学習」や「コミュニケーション」を行うことで、前頭葉を活性化させ認知症や若年性アルツハイマー病の進行を抑制することができます。

また、脳の神経細胞は新しく生まれ変わることはありません。しかし、互いにネットワークで結びついて情報処理をしているので、認知症により脳の一部がダメージを受けたとしても他の部位がダメージを受けた部位の機能を受け継ぐことは可能です。この機能のことを脳の代償機能といいます。

したがって、前頭葉の活性化や代償機能を働かせるための、「脳の活性化リハビリテーション」や「社会参加」が重要になってきます。

脳の活性化リハビリで認知症・若年性アルツハイマー予防

脳の活性化リハビリテーションとは

脳の活性化リハビリ

脳の活性化リハビリテーションとは、学習やゲームなどにより脳を活性化させることで、老化から脳を守るリハビリのことです。脳の活性化リハビリテーションには次のような物があります。

学習療法
簡単な読み書き・計算とコミュニケーションによるリハビリ
ゲーム
トランプやパズルゲームで楽しみながら脳を活性化するリハビリ
回想法
写真や昔の玩具を使い昔のことを思い出しながら話すリハビリ
音楽療法
音楽に合わせて歌を歌ったり、手拍子をしたりする療法です。合奏や合唱、カラオケなどでも効果が期待できる
運動療法
いわゆるリハビリテーション作業訓練をしたり体を動かすことで脳が活性化させるリハビリ
リアリティ・オリエンテーション
今を認識してもらう方法で、見当識障害に有効です。例えば、今日が何月何日で、今いる場所、目の前にいる人物が誰かといったことを繰り返し伝えるリハビリ
アートセラピー、レクレーション療法
絵画や陶芸、塗り絵、切り絵等を行う。以前から行っていた趣味等好きな事をする
アニマルセラピー
動物の世話や動物と触れ合いを通じたリハビリ

それぞれ方法は異なりますが、共通しているのは、強制ではなくリラックスした雰囲気の中で、コミュニケーションを取りながら、頭や体を使い、自然と人間らしい知的機能を発揮できるようにしていることです。脳の活性化リハビリにより薬物療法の効果がより高まることもあります。

楽しい!!が一番

趣味

楽しく打ち込むことが出来、なおかつ物事を構成する能力が必要な趣味が進められます。音楽演奏や俳句・短歌、絵画、塗り絵、料理などは脳が活性化しやすいものです。

また、1人で打ち込むよりも、他人とコミュニケーションを取る機会を作りましょう。人との交流は、相手の気持ちを察し、自分の感情を表現することを必要とさせ、脳の知的機能を自然に活性化してくれます。

長年かけて習得した能力を大切にする

認知症の人は、最近のことよりも昔のことを覚えている傾向があります。特に、若い時から長年かけて身に着けたことは、意外なほど忘れないで残っていることが多いです。手芸や料理などです。

そうした中で、少しでも家族として分担できることがある場合は、それを活かすことが大切です。洗濯物をたたむ、野菜の皮をむく、あるいは庭仕事、ボランティアなどでもよいでしょう。残っている能力を探して大切にし、感謝の気持ちを表して能力を評価すると、そこからお年寄りの気持ちに自信が持てるようになり、生きがいや意欲に結びつくだけでなく、脳の活性化にも良いでしょう。

脳活性化リハビリテーションの注意点

脳の活性化訓練は、頑張って脳を鍛えるというイメージを抱きがちですが、実際にはお年寄りが気構えることなく、自然に参加しながら残された機能を維持し活性化していくことが大切です。したがって、無理強いすることは逆効果だということを心に留めて置いて下さい。訓練が行き過ぎてもストレスになります。

脳の活性化リハビリテーションの効果をより発揮させるための5原則は次のようなものです。

  • 程よいレベルで心地よい刺激
  • 褒めてやる気を引き出す
  • 楽しい会話・コミュニケーションで安心リラックス
  • 役割を演じて生きがいを生み
  • 失敗しないように支える

それでは、脳の活性化リハビリテーションの中から学習療法を例に、その方法や効果を見てまいりましょう。

学習療法の方法とその効果

簡単すぎず難しすぎない程度の難易度の読み書き計算教材を使用します。優しすぎる教材では認知症や若年性アルツハイマー病の症状の緩和効果が期待できませんし、難しすぎると本人のプライドをキズづけてしまうことがあるためです。

週に5日以上、一日およそ30分の学習をします。単に問題を解いてもらうだけではなく、本人と学習支援者がコミュニケーションを取りながら学習を進めることが大切です。採点後は前向きにコミュニケーションを深めることで、学習へのモチベーション維持や向上を図りましょう。

学習療法を行うと何もしていない時に働いていなかった脳の前頭前野が「簡単な計算」「本の音読」「コミュニケーション」をしている時には活発に働きます。

半年間、学習療法を続けた結果、記憶障害や見当識障害などの中核症状が約5割、さらに、抑うつ・興奮・徘徊・不眠などの周辺症状が全体の2~3割の人で改善したという東北大学の研究報告があります。

社会参加で認知症予防

積極的に社会参加をすることが、認知機能の低下を食い止め認知症や若年性アルツハイマー病の予防・治療に繋がると考えられています。定年後も何かしらの仕事を続けたり、ボランティアに参加することにより、意欲や人との交流機会が増えることで、認知症の予防・治療に繋がります。

ですので、認知症や若年性アルツハイマー病の予防・治療には積極的に家族や友人と楽しく過ごし前頭葉を活性化させることが大切です。

デイサービスやデイケアも効果的

デイケア

デイサービスやデイケアは同じような状態のお年寄りとの交流があり、また、介護の専門家が世話することもあって、精神的な安定が

得られやすくなっています。しばらく通い続けると、感情表現が豊かになり、活き活きと意欲的になることがしばしばあります。

自宅とは異なる場にいるという適度な緊張感などもあるからでしょうか。家ではできない事が、集団の場ではやり遂げられるといった例もあります。デイサービスに行くようになってから、着替えや入浴などを嫌がらなくなったといった報告もあります。

こうして何かしようとする意欲が出てきたり、精神的な安定を保つことが出来ると、認知症の症状の進行を遅らせるだけでなく、改善されることもあります。物忘れや徘徊の回数が減ったり、うつ症状が無くなるといった効果が現れることもあります。

家族以外の人との交流も大切

孤独な生活は、それだけで意欲や精神的活動を低下させたり、精神的な不安定を待泣きやすくします。家の中でお年寄りを一人にしないで、話しかけることは非常に大切です。同時に家族以外の人とのふれあいもお年寄りにとっては新鮮な体験なため、脳に良い刺激になります。訪問介護や訪問看護の利用はそうしたメリットがあります。

更に外出する機会を作ると、季節の変化に触れたり、町の様子を肌で感じるチャンスになります。開かれた空間で心も解放され生活にメリハリが生まれます。こうしたイキイキとした生活は、それ自体、認知症の治療として意味があります。

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