家族が脳卒中で倒れた時のガイドライン|緊急搬送~社会復帰

脳卒中対応

突然、家族が脳梗塞や脳出血を発症したら、多くの人は動揺してしまうのではないでしょうか?今後のことを冷静に考えることが出来るでしょうか?

ましてや、過去に脳卒中を発症した人が身近にいた経験が無い人にとっては尚更だと思います。

そういった人の為に、この記事では、家族が脳梗塞や脳出血に倒れた時、あなたがどのように対応すべきかを詳しく解説しております。みなさまの「いざという時の為の脳卒中対応マニュアル」としてお使いいただければと思います。

脳卒中かどうかの判断法から救急車が到着するまでの対応については『脳卒中ガイドライン|脳卒中は発症後3時間が決め手』で詳しく解説しております。

脳卒中発症時の心がまえ

家族が、脳卒中で病院に緊急搬送されたら、緊急入院した後どうなるのか、治療にかかる期間や後遺症の程度、障害が回復する見込みなど、あれこれ考え取り乱してしまうことは仕方がないことです。

しかし、いつまでも取り乱していても仕方ありません。こんな時だからこそ、家族しか出来ないこと・やらなければいけない事が沢山あります。

家族は、医療機関と本人との間に立ち、本人の身の周りのサポート役として力強い味方とならなければいけません。しかし、だからといって、家族が気負いすぎることは逆効果です。医療機関からの説明をよく聞いて、出来ることから1つ1つ落ち着いて行動しましょう。

脳卒中の発症時に居合わせたら、病院へ付き添う

脳卒中の発症時に、家族が居合わせた場合は、直ぐに救急車を呼び、安静体位を確保し、をあまり動かさないようにして下さい。

救急車の到着後、家族は医療機関に同行しましょう。

脳卒中発症時の対応については、『脳卒中ガイドライン|脳卒中は発症後3時間が決め手』で詳しく解説しております。

医師に情報を伝える

脳卒中説明

病院まで到着したら、医師に脳卒中を発症した時の様子を落ち着いて具体的に伝えて下さい。医師が知りたい情報は次のような事柄です。

  • 脳卒中の発作はいつ、どのような時に起こったのか
  • 以前に同じようなことがあったか、本人の普段の様子
  • 高血圧、糖尿病、心臓病などの持病があるか
  • 定期的に服用している薬があるか
  • 喫煙や飲酒の習慣はあるか

医師に、家族だから知っている情報を具体的に伝えることで、脳卒中の診断の重要な手がかりになることがあります。冷静を心掛け、思いつくことは何でもよいので、医師にしっかりと伝えて下さい。

脳卒中の入院期間はどのくらい?

入院期間脳卒中

入院期間は、脳梗塞や脳出血の程度によって異なります。軽症なら、数日以内に退院できることもあります。

しかし、手術を受けた場合は、傷口の大きさや後遺症の程度によって期間が変わってきます。開頭手術の場合は、開頭しない場合に比べて入院が長くなります。また、後遺症のマヒが出た場合はリハビリテーションに集中的に取り組まなければなりませんので、入院期間は長くなります。

職場への連絡や対応はどうするの?

入院後しばらくは、本人は外へ出られないので、職場への連絡や健康保険、生命保険の入院給付金受領などの各種手続きは、家族が対応することになります。

職場への休職届等は医師の病状説明をよく聞き、必要に応じて診断書を 書いてもらった上で、会社に提出しましょう。

医療費が高額になる場合は高額療養費・限度額認定証明書の申請も行いましょう。

また、着替えやタオルといった入院生活に必要なものも、家族が揃えていきます。病院によって用意すべきもの用意しなくてよいものがありますので、「病院の入院時の手引き」をしっかりと確認しましょう。

入院中の治療方針は家族が良く聞き判断する

脳卒中で入院すると、緊急の検査を経て、外科的手術をするか内科的治療をするかなど、今後の治療方針が決定されます。家族は、医師の説明をよく聞き本人の病状を冷静に受け止めることが大切です。

治療について分からないことがある場合は、何でも医療スタッフに質問してください。現代医療では、治療に当たって医療スタッフが積極的に情報を提供し、それを患者や家族が理解し納得・同意した上で進められることが重視されています。つまり説明と同意=インフォームドコンセントが大切です。脳卒中の発症後本人の意識が朦朧としている場合などは家族が本人の代わりにしっかりと医師の話を聞きましょう。

面会では落ち着いて、冷静に病状を受け止める

面会

入院中の人に面会するときも冷静な行動が求められます。入院直後や外科手術後の場合、意識が無く、酸素吸入器や点滴などの医療機器がたくさんつられていたり、手術のため髪の毛が剃られていたりします。

変わり果てた姿を見るとつい取り乱してしまうことがありますが、落ち着いて見守るようにして下さい。本人の意識がある場合は尚更です。家族の動揺が大きいと、本人の不安も増強されてしまいます。面会をするときは、そうした気持ちも考えてさりげなく明るく接することが大切です。

手術後はICU(集中治療室)で経過観察し、状態が安定したら一般病棟に移されます。

面会時間や面会人数が制限されることがありますが、出来る限り本人に付き添って、声をかけてあげると良いでしょう。家族の励ましで、本人はきっと勇気づけられ今後の治療にもプラスに働くはずです。時には本人が病状を理解できず騒いだり、せん妄状態に陥ったりすることもありますが、そうした事態も家族は冷静に受け止めて下さい。

ただし、病棟には他にも患者さんがいます。声は大きくなり過ぎない・病院の面会時間を守るといった最低限のマナーを守りましょう。

病院でのリハビリテーションは後方支援が一番

脳卒中の後遺症で重度の麻痺が残ってしまうこともあります。しかし、家族はあまり気を落とすことなく受け止めて下さい。後遺症に対しては本人の方がショックが大きいはずです。

家族は現状を淡々と理解するように努め、本人がリハビリテーションに取り組みやすい環境づくりに努めましょう。

ただし、無理やりリハビリを強制したり、励まし過ぎるのはかえって逆効果になることもあるので注意しましょう。家族が「がんばれ」と熱心になりすぎたために、本人がプレシャーを感じてリハビリを拒否してしまうケースもよくあります。

家族だからこそ言えること出来ることがある一方で、家族だからこそ一歩引いて考えるべき時もあることを心に留めておいてください。

急性期病棟でのリハビリテーションは、理学療法士や作業療法士などの指導のもとどのようにサポートしていったらよいのか確認しながら進めていきましょう。

自宅へ帰るかリハビリを続けるのか選択する

しばらく入院すると、現在の急性期病院から移らなければ以下ません。その際、「自宅へ帰る」か「リハビリを続ける」かという選択を迫られます。

  • 後遺症が無い場合、社会復帰を目指す人→退院
  •  後遺症がある場合、さらなる機能回復の為にリハビリを継続したい人→リハビリテーションをつづける為の転院

といった具合に、本人の状態に合わせて、「自宅へ帰る」か「リハビリを続けるために転院」するかどうか「退院・転院先の選択」を判断してください。医師やソーシャルワーカーに相談のうえで決定しましょう。本人の病状や年齢などを考慮して、最も本人の為になるところを選ぶと良いでしょう。

まら、リハビリテーションの効果が望める期間は一般的に、脳卒中を発症後4~6ヶ月です。転院・退院先の選択を誤ってしまうとリハビリを重点的に受けられないなどの問題が出てきますので、慎重に選んでください。今後の本人や家族の運命を左右します。

リハビリテーションにはどういった病院が良いのかについては『脳出血・梗塞のリハビリはどうするの? 知っておきたいリハビリの基礎知識』で詳しく解説しております。

病院から自宅に帰るための準備

家族のサポートは、病院を出てからがさらに重要になってきます。退院がきまったら、直ぐに準備に取り掛かり、自宅でのサポート体制を整えておくことが大切です。

公的期間・医療機関の支援制度を使い在宅療養の環境づくり

脳卒中の治療が進み、リハビリもある程度進むと、その後は在宅療養となるケースが一般的です。在宅では十分な医療が受けられるか不安もあるかもしれませんが、本人にとっては住み慣れた自宅へ戻れることは喜ばしいことです。退院が決まったら、家族で協力し合って在宅療養が出来るよう、環境を整備することから始めましょう。

介護保険制度や障害者自立支援制度など様々な制度を利用して、本人にとってより良い環境づくり・介護者にとっての介護負担の軽減が出来るような体制を作りしましょう。

その際、家族だけよりも医療機関、ケアマネージャー、福祉事務所などの医療・介護・福祉の専門家に相談し協力を得ることが大切です。

介護はみんなで分担し、1人頑張りすぎない

後遺症が重い場合や、もともとの持病があって介護が必要な場合は、介護保険などの公的制度を積極的に利用しましょう。重度の後遺症が残った場合、家族だけでは介護が大変なケースがほとんどです。ヘルパーやデイサービスやデイケアなど利用して介護者の負担を軽くすることが介護を長く続けるコツです。

退院前に地域の福祉事務所や 医療ソーシャルワーカーに相談すると、手続きの仕方を教えてもらえます。

リハビリへの意欲を向上させるには会話から

全く後遺症が残らなかったという人は別ですが、多くの方は大なり小なり脳梗塞や脳出血の後遺症が残ると思います。

しかし、自宅に帰るとホットしてしまいリハビリを止めてしまう人もいます。ですが、何よりもリハビリテーションは継続が重要です。リハビリは継続しないとせっかく取り戻した機能が低下したり、廃用症候群になる可能性があります。

家族は本人に「リハビリをしないと絶対ダメ」と叱りがちです。しかし、それが逆効果になることもあります。厳しく接するよりも、本人がリハビリテーションを継続する意欲を高められるよう、フォローしてあげてください。

在宅に帰ってからのリハビリテーションは維時期のリハビリです。病院のような機能そのものの回復を目的に進めるのではなく、ご飯を食べる・服を着るといった日常生活動作(ADL)のレベルを上げることを目標に進められます。

したがって、「リハビリ!リハビリ!」と無理に本人に押し付けるのではなく、日常生活の中のやり取りで自然に体を動かすような切っ掛けづくりが大切です。一緒に散歩したり、外出したりするのも良いでしょう。

まとめ

脳卒中の発症から社会復帰するまで、家族は冷静に対応する必要があります。また、時には優しく本人をサポートすることを心掛けることが大切です。

在宅介護をする場合は、1人で頑張らず家族や医療・介護・福祉の力を借りましょう。

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