異食や過食を防げ!認知症の方の食行動異常の原因と対策法

認知症の異食,認知症の過食

認知症のお年寄りは、時に理解のできない行動を取ることがあります。

異食や過食いった食行動異常もその1つです。食行動異常は、認知症の中核症状から派生して現れる症状です。したがって、その原因や介護対応の方法も様々です。

ここでは、異食と過食の原因と介護対応の方法をご紹介しておりますので是非ご覧ください。

異食(何でも口に入れる)の原因と介護対応

異食

異食の症状

異食とは、土や新聞紙、トイレットペーパーといった食べ物でないものを食べる認知症の症状です。

例えば、「家の庭いじりをしていた母親が土を食べ始めた」といった症状を異食と呼びます。何度、注意しても異食が止まず困り果てている介護者も多いのではないでしょうか。

しかし、一体どうして異食が起こるのでしょうか?

異食の主な原因は判断力障害

異食行動は、認知症による「判断力障害」が関係していると考えられます。

判断能力に障害が現れると、善悪の判断つまり「食べて良いものと悪いもの判断」が難しくなります。その結果、何でもかんでも口に放り込む異食が起きるのです。

人間の身体のパーツの中でも、口は手と並ぶほど非常に感覚が敏感な器官です。

「判断力が備わっていない赤ん坊は、口の感覚を通じ外界と自分の関係を確認する」と精神分析学者のフロイトの口唇期説でも提言されています。つまり、赤ちゃんが何でも口に入れるのは判断能力がまだ備わっていないからです。

したがって、赤ちゃんと同じように認知症の方は何でも口に入れる異食が現れるのです。「認知症の人が、段々と赤ちゃんの時に回帰していくようだ」と言われるのもこの為です。

異食への介護対応

異食への介護対応

異食は危険です。乾電池などを口に入れてしまい喉に詰まらせて窒息死してしまうこともあります。

しかし、何か異食への良い介護対応はないのでしょうか?

異食対策としては、次のようなことに気を付けて介護して下さい。

危険な物や異食しやすい物は隠す

まずは、認知症の方の身辺から危険な物を取り除きましょう。特に、薬や乾電池などの飲み込むと危険なものは棚の引き出しに鍵を掛けて保管しましょう。認知症が重度の方の場合、薬などを飲み過ぎてしまうので介護者が管理するようにした方が賢明です。また、よく異食しやすい紙や石鹸などは手の届かない場所に保管しておきましょう。

おかしや軽食などを準備しておく

誰でも、お腹が空いる時には、何か食べ物を口に入れたいものです。空腹時と満腹時では、当然空腹時の方が何か食べようと異食しやすい傾向にあります。したがって、もしもお腹が空いた時の為に、本人の近くに安全に食べることが出来る軽食やお菓子などを置いておくのも異食の対策になります。

身体拘束や薬は使用しない

認知症の方は、赤ちゃんの頃に回帰したような行動を取ります。赤ちゃんが何でも口に入れるからといって、手足を縛ったり、薬で寝かしつけることはNGです。

当然、認知症の方にも同じことが言えますので、異食を身体拘束や薬でコントロールすることはダメです。例え、異食を身体拘束や薬でコントロールすることが出来たとしても、精神のバランスが崩れ、不安や幻覚などが現れてしまう為です。それだけでなく、認知症の進行スピードを速めより介護が困難になるに違いありません。

過食(食事をしたのにご飯を催促する)原因と介護対応

過食

過食の症状

過食とは、一般的にストレスなどからご飯を食べ過ぎてしまう症状ですが、認知症の方の過食は少し違います。

認知症の方の場合、食事を終えてまだ間がないのに「夕ご飯はまだ?」と催促する過食が現れます。「ご飯は食べたよ」と言っても「まだ食べていない」と言うのです。ですので、目を離した隙に、冷蔵庫からおかずを取り出し2度目の夕ご飯を食べてしまうといったことも少なくありません。

しかし、一体どうして過食が起こるのでしょうか?

認知症の過食の主な原因は記憶障害

過食行動は、認知症による記憶障害が関係していると考えられます。

認知症の方の多くは、まず短期記憶が保てなります。短期記憶が抜け落ちるので「直前に食事をした」ことを覚えていないのです。記憶障害以外にも、次のようなことが過食の原因と考えられます。

  • 満腹中枢がダメージを受け、満腹感が得られず過食してしまう。
  • 時間の見当識障害から、自分だけが食事をしていないと思い込み過食してしまう。

過食への介護対応

過食への介護対応

過食は、カロリーを取り過ぎの取り過ぎに繋がります。また、食べ物だけでなく、薬を飲み過ぎてしまうこともあり危険です。

しかし、何か良い過食への対策法はないのでしょうか?

過食対策としては、次のようなことに気を付けて介護して下さい。

具体的な回数や時間などを伝える

「ご飯はまだ」と催促された場合は、「今は夜の9時ですよ。夕ご飯のハンバーグ美味しかったね」など若いりやすく具体的な言葉で伝えましょう。

「何言ってるの?ご飯食べたばかりですよ!!」と怒ったり、「食べ過ぎはダメ!」と注意したり、「・・・」と無視するような介護対応はいけません。本人を否定したり無視する対応は、被害者意識を増幅させてしまいますので注意が必要です。

食べた食器を片づけない

まだ食べている人を急かしたり、そそくさ食器を片づけると、頭が混乱し過食が悪化する場合があります。

したがって、食事はなるべく時間をかけてゆっくり取ってもらいましょう。そして、食べ終わった食器は、片付けずに本人の目の前において置き「食事したんだ」という意識づけを行いましょう。また、その間はお茶でも飲みながら会話に花を咲かせましょう。

次の食事まで一緒に過ごす

本人を否定する言葉は、認知症の介護の現場では適切ではありません。もし食事を要求された場合は、「これから支度しますね」「食事の準備を手伝ってください。」などのお声掛けを行うと良いでしょう。

ストレスを取り除く

ストレスが溜まると過食気味になってしまう人は多いと思います。認知症の方でもそれは同じです。したがって、日頃のストレスや不安を取り除いてあげると過食がピタリと無くなることがあります。

ストレス解消のコツは『ストレスの解消方法を一挙大公開!』をご覧下さい。

1回の食事を数回に分ける

もしも、上記の対応で収拾がつかない場合は、食事の回数を増やしましょう。例えば、「朝・昼・夜」3回の食事を「朝・朝昼・昼・昼夜・夜」といった具合に食事の回数を増やすのです。

この場合、カロリーを摂取しすぎない為に、1回分の食事を数回分に分けては配膳すると良いでしょう。これなら、カロリーの摂取量は同じですので、食事の回数が増えても問題はありません。

薬はしっかりと管理する

薬を自分で管理している認知症の方は、薬を飲み過ぎてしまうケースが頻繁に発生しています。食べ物を過食するならまだ安全ですが、薬の過食は生命にもかかわる問題です。

もしも、親と一緒に暮らせない家族ならば、薬の管理だけはしっかりとサポートしてあげて下さい。曜日や時間ごとに分けられる薬入れを使い、薬入れの目の前にカレンダーを置きチェックしてもらうといった対策を取り薬の飲み過ぎを防ぎましょう。

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