「認知症かも・・」病院への受診・検査をスムーズに勧めるコツ
「お父さん認知症かな?」と病気を疑い、「病院に行って医師に認知症かどうか診てもらおう」と、いざ本人に受診を勧めても大抵はすんなりいかないものです。 また、「本人のプライドを傷つけてしまうのではないか・・・・」「本人が怒り出し受診を拒否するのではないか・・・」などの理由でなかなか受診するよう勧めにくいこともあるでしょう。。
しかし、認知症は放っておくと徐々に症状が悪化してしまう病気です。一方で、早期に病気を発見し、適切な治療を受けることで、その進行を抑え介護が必要となるまでの時間を延ばすことができます。
したがって、次の様な方は是非この記事を読んでいただきスムーズに認知症の受診を勧めていただければと思います。
- 「認知症かな?」と思っているものの受診を進められずにいるご家族
- 何度も、受診を勧めているにも関わらず、拒否されているご家族
誰でも認知症の検査をは嫌なもの
認知症の高齢者は、本人に病識が無いことが多く、受診を促し難いものです。もし、自分の変化に少しでも気づいているのであれば受診を受け入れてくれるかもしれません。
しかし、多くの場合は、包み隠さず「物忘れが多いので、認知症かどうか診察してもらおう」と言うと、本人はショックを受けたり、怒ってしまったりして診察自体を拒んでしまうかもしれません。
こうなってしまうと、意固地になってしまい診察を受けさせることがますます難しくなってしまいます。
「正直に言うからダメなんだ!」と考え、「買い物」や「外食」に行こうと嘘をついたり、黙って病院に行き無理やり受診させたりするのはご法度です。その後の家族関係や医師との信頼関係に悪影響が生じかねません。
それでは、一体どのように受診を勧めれば良いのでしょうか?
認知症の検査を勧めるコツ
スムーズに病院での検査を勧めるコツは、次の通りです。
- 市役所から高齢者健診の連絡が来ているよ
「本人だけでなく、市町村全体の高齢者が認知症の検査をした方が良いみたい」という名目で受診を促します。
- 健康診断を受けに行こう
人間ドックなど体の調子を話題にしつつ認知症の診察を促します。他の病気の検査も一緒に行うと抵抗も少なくなります。また、いつまでも健康にいてほしいというご家族の気持ちにも答えようとしてくれるはずです。
- 病院に配慮してもらい内科から受診する
いきなり認知症の専門医のいる科に受診するのが難しい場合、内科などから通してもらうよう予め手配すると良いでしょう。
- かかりつけ医の先生に受診を勧めてもらう
往々にして、家族よりも第三者、特に医者などの権威がある人の言うことは素直に聞くものです。かかりつけ医の先生の名前を出したり、推薦状を書いてもらいましょう。
認知症の診察に行くことを告白しながら、本人の気持ちに配慮した勧め方をしましょう。
認知症の検査は家族が同伴すると良い
医師が初診で認知症の恐れがある高齢者を診察するときは、発症の経緯や、日頃の様子を良く知っている家族からの情報が必要です。病院に受診する際には、必ず家族同伴のもと受診することが大切です。
また、受診を決心してから受診する日までに、あまりに時間が空いてしまうと、忘れられたリ、不安になったりしてしまいます。こうなると、受診を拒否されることも多く、折角の段取りも水の泡です。
したがって、認知症の受診を勧めてから実際に診察を受けるまでの期間は、最低でも2~5日以内に留めて置いた方が良いでしょう。
認知症の受診を受ける際に用意しておいた方が良い物
認知症の診察する場合は、主に次の様な3つの材料から総合的に判断します。
- 問診(本人と家族)
- 画像検査(CTやMRI、PET、SPECT)
- 認知症テスト(長谷川式認知症スケールやMMSE)
特にこの中の1の問診では、本人の普段の状態や行動について医師から質問されます。したがって、事前に以下の様な、普段の生活で気になることをメモしておき、その場で医師に見せることをオススメします。医師にとって、そのメモは認知症かどうか診断する際の良い判断材料になります。
- いつから
どの様な変化がいつ頃から見られるのか、そのきっかけは何だったのか
- 変化の内容
以前の様子はどのようなものか、以前と比較して、今はどの様な変化があるのか
- 現在の様子
- 日常生活に問題はないか
- 問題がある場合、どのようなことか
- その他
- 生年月日や学歴、職歴、性格、家族構成、親族の病歴、現在持っている病気、過去の病歴(脳卒中、パーキンソン病、うつ病など)
- 現在服用している治療薬(お薬手帳)
認知症の受診を断られた場合の対応
上記の「受診の勧め方」を実行しても、上手く本人に受診してもらえなかった場合は、本人を除いたご家族だけでも認知症の専門医に相談しましょう。また、かかりつけ医に相談し、往診や推薦状を書いてもらうと良いでしょう。
まとめ
冒頭でもご説明した通り、認知症の治療は早ければ早いほど高い治療効果が望めますので、以上の方法で「受診を勧め」ていただければと思います。
また、残念ながら日本では認知症の専門医が少なかったり、病気に関する専門知識を有していない医師も多く、誤診や見落としがあることも事実です。したがって、より信頼できる専門医にかかることをオススメします。
また、家族がインターネットや本などの情報により、認知症の基礎知識を入れておくことも大切です。
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