2025年問題|少子高齢化社会の日本の将来はヤバイ!

2025年問題,少子高齢化

「2025年問題」や「少子高齢化」といった言葉はご存知ですか。いずれの言葉も日本の将来と深く関係するものです。

日本の総人口は2008年の1億2808万人をピークに減少し始めました。「2015年11月に1億2711万1千人。2016年4月1には1億2698万人」と着々と人口減少が進んでいます。なんと、100年後には現在の約半数にまで人口が減少するという予測もあります。

今後も人口減少が進むことが予想される日本ですが、それに伴い様々な問題が発生することが予測されています。「2025年問題」や「少子高齢化」といった言葉も、そのような問題の中の1つです。

ここでは、「2025年問題」「少子高齢化」という2つのキーワードをもとに、日本の将来がどのようになるのか見ていきたいと思います。

<目次>

  1. 少子高齢化社会とは
  2. 2025年問題とは
  3. 少子高齢化の日本が抱える問題
    1. 介護の担い手不足
    2. 核家族化が招く「老老介護」問題
    3. 認知症患者の増加
    4. 介護疲れによる自殺・殺人問題
    5. 社会保障費の増大
  4. 少子高齢化社会に立ち向かう為の解決策

1.少子高齢化社会とは

jinnkousuii

出典:総務省「国勢調査」及び「人口推計」

最近、白髪混じりの高齢者を見かける機会が増えました。それもそのはず。現在、日本が世界の中でトップレベルの長寿国であることは有名です。2014年(平成26年)時点の日本人の平均寿命は次の通りです。

  • 女性86.83歳
  • 男性80.50歳

長寿自体は喜ばしいことです。しかし、このことが「少子高齢化」という1つ目の問題に深く関係しているのです。

少子高齢化とは、総人口に占める子供の割合が少なくなる「少子化」と、高齢者の割合が増える「高齢化」が同時に進んでいる状況のことです。

それでは、「高齢化率」と「出生率」という言葉をキーワードに、少子高齢化という言葉をさらに掘り下げていきましょう。

人口における65歳以上の高齢者の割合を「高齢化率」と言います。高齢化社会とは、高齢化率が7%以上の社会です。これが14%になると、高齢社会になります。

世界各国では、高齢化社会から高齢社会になるまでに、フランスは115年、スウェーデンは85年、イギリスは47年がかかったのに比べ、なんと日本は24年という猛スピードで駆け抜けていったのです。

つまり、人類史上未だかつて経験したことがないスピードで日本の少子高齢化は進行しているのです。

そして、2013年には25.1%で総人口の4人に1人でしたが、2035年には33.4%で3人に1人、2060年には39.9%で2.5人に1人が高齢者になり、将来的にも少子高齢化がますます進んでいくのです。

ちなみに超高齢社会という言葉も耳にしたことがあると思いますが、こちらは高齢化率が21%以上とする説と28%以上とする説があります。21%の説では既に日本は超高齢社会に突入しており、28%の説でも2025年までに達すると考えられています。

また、「合計特殊出生率(一人の女性が一生のうちで産む子供の平均人数)」は、1970年代後半から2.0ポイントを切り、現在も1.5ポイント以下と低いままです。

高齢者の数が急激に増えているのにもかかわらず、あらゆる面で高齢者を支えることが期待されている15歳~64歳のる現役世代が急速に比率を下げているのです。この人口のアンバランスこそが少子高齢化問題の本質なのです。

少子高齢化という言葉の意味をご理解いただいたところで、次は「2025年問題」とは何なのか見ていきましょう。

2.2025年問題とは

「2025年問題」は、「団塊の世代」というキーワードが深く関係しています。

団塊の世代とは、1947~49年の第1次ベビーブームに生まれた約800万の人々のことです。そして、この「団塊の世代」という巨大な集団が2025年で75歳以上の「後期高齢者」となるのです。

2025年の後期高齢者は約2179万人、65歳以上の前期高齢者を含めると約3658万人に達すると推定されます。その結果、2020年代には高齢化率は30%を上回ります。毎年の死亡者数は150万人を超えて出生率の2倍となります。

2025年問題とは「団塊の世代」という巨大な集団が後期高齢者となり、少子高齢化問題にさらに拍車がかかってしまうことで生じる多くの問題を表した言葉です。しかもこの問題は、2025年だけで終わるのではなく、それ以降も続いていきます。

少子高齢化は、今後急速に首都圏をはじめとする都市部で進むと見込まれています。そこでは「認知症の高齢者の増加、介護の問題、医療の問題、社会保障費の問題、死の問題、住まいの問題」など、これまで問われることの少なかった多様な問題が、「2025年」を機に一気に表面化してくるのです。

それでは「少子高齢化問題」「2025年問題」が私たちの生活にどのような影響を与えるのか見ていきましょう。

3.少子高齢化の日本が抱える問題

介護の担い手不足

介護の担い手不足問題

介護は、この高齢化に大きく影響される問題です。その心配の1つに「介護が必要とする人」と「介護をする担い手」のバランス関係です。

  • 1960年代は、現役世代11.2人で1人の高齢者を支える
  • 2010年代は、現役世代2.8人で1人の高齢者を支える
  • 2060年代は、現役世代1.3人で1人の高齢者を支える

かつては、現役世代10人で1人の高齢者を支えていたものが、今では3人弱で1人を支え、将来は1対1に近づくのです。若い家族でも介護の為に仕事を辞めなければならず、金銭的な負担で追い詰められる場合もあります。要介護度が高い場合は医療行為を家族が負担する側面もあり、介護者は肉体的にも精神的にも追い詰められていくのです。

75歳以上と40歳以上の人口推移

「介護離職」「介護難民」「特別養護老人ホームの待機者問題」などの問題が叫ばれる中、社会全体で高齢者をどう支えるか、今から真剣に考えて置く必要があります。

核家族化が招く「老老介護」問題

老老介護

核家族化や少子高齢化が進んだ日本では、これまで想定できなかった問題も生じてきます。例えば「老老介護」という問題です。

老老介護とは、お年寄りがお年寄りを介護する状況。

2025年には、世帯主が65歳以上である高齢者世帯が約1,840万世帯に増加し、その内の7割を一人暮らしのお年寄りや、高齢の夫婦のみの世帯が占めると見込まれています。

老老介護では、介護される側だけでなく、介護する配偶者や子供も高齢という状況で、介護する人も要支援・要介護というケースが少なくありません。

高齢者は体力が、若者に比べて落ちているので大変負担が大きいです。

認知症患者の増加

認知症患者数

超高齢化社会の到来は「認知症の時代」の幕開けでもあります。

認知症とは

日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されています。認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI)」患者数約400万人を合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症あるいはその予備群ということになります。

2012年 厚生労働省データ

団塊の世代が全員75歳以上になる2025年には675万人(最大で730万人)に、高齢者の約5人に1人が認知症患者であると推計されています。そして、MCI患者数を加えると、約1,300万人にもなるのです。さらに、2060年には認知症患者が850万人に達すると予測されています。

糖尿病の増加に伴い、認知症の有病率が上がった場合

2014年 「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 九州大学二宮教授データ

以上のデータからも分かる通り、認知症患者の増加は避けられません。認知症は介護が必要となる場合も多く、少子化が進む中、介護の担い手である現役世代が少ないことも問題視されています。

その為、先ほどの老老介護さらには、認認介護という問題も現れてきます。

認認介護とは、認知症の人が認知症の人を介護する状況。

つまり、認認介護では認知症の人が認知症の人を介護するわけですから、当然介護はスムーズに回りません。オムツ交換や薬を飲ませる時間を忘れてしまうだけでなく、介護していること自体を忘れてしまうということも考えられます。

介護疲れによる自殺・殺人

hokou

こうした、老老介護や認認介護の背景から、介護生活に耐えきれずに要介護者を殺害する、あるいは介護者が自殺、一家心中するというケースも増えてきました。「自殺対策白書」や「犯罪情勢資料」の犯罪原因として「介護・看病疲れ」の項目が新たに加わったくらいです。

介護疲れによって60歳以上の高齢者が殺害されたり、心中したりする事件が1998年から14年間で少なくとも550件に上るという報告もあり、介護疲れは社会問題に発展しているのです。

介護疲れなどを原因とした自殺や犯罪を防ぐためにも、下のリンクで介護疲れを起こさない方法をご紹介していますので、参考にして下さい。

介護疲れを起こさない方法

社会保障費の増大

社会保障費の増大

社会保障費の増大も問題とされています。社会保障費とは、年金、医療、介護などに掛かる費用のことですが、これらの全てが危機的な状況になるのです。社会保障費用は、2010年以来、毎年100兆円を超えています。

65歳以上の方の保険料は、制度開始当初は月額2911円でしたが、現在は4972円です。保険料は市町村が決めるので地域によって変わりますが、中には5000円を超えているところもあります。

介護保険料とは

さらに2025年には社会保障料を払う側にいた団塊の世代が、給付を受ける側に回るのです。その結果として社会保障財政のバランスが崩れる事が懸念されています。

介護給付と保険料の推移

いずれは、国の年金積立金も底を付くことでしょう。そんな中、介護保険財政のバランスが崩れるのを防ぐ為には、利用者の負担を増やすか、増税するか、あるいはこれら全てを行う必要があります。いずれにせよ、負担増になることは避けられません。少子高齢化が進む中、現役世代の負担がますます重くなっていくでしょう。

将来的には、現在の年金システム自体が崩壊している可能性もあります。

少子高齢化社会に立ち向かう為の解決策

自民党の安倍首相が介護離職ゼロ、「日本一億総活躍社会」を打ち出したわけですが、少子化高齢化、社会保障費の増加、雇用の安定、正社員比率の減少、待機児童問題などさまざまな問題がクローズアップされている中、実現はかなり難しいものだと考えられます。

そんな中、私たちは「2025年問題」に立ち向かうことは出来ないのでしょうか?

有ります。それは「介護予防」を行い健康に過ごすことです。

長生きする人が多くなると、中には介護が必要な人も出てきます。その中でも介護が必要になる理由の1位は脳卒中(脳梗塞、脳出血など)、2位は認知症です。したがって、この2つの病気を予防することこそ超高齢社会を迎える日本では大切なことなのです。また、健康寿命を延ばすことも大切です。健康寿命とは、自立した生活を送ることができる期間のことです。

平均寿命から健康寿命を引くと寿命があるのに、健康でない期間療養しているか介護を受けている期間が分かります。この期間を減らすには何よりも生活習慣を見直すことが一番です。

コメント

コメントを投稿する

計算の答えを半角数字で入力してください * Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください