今さら訊けない!介護保険制度改正(’15)のポイント11

介護保険制度改正

みなさん2015年から介護保険制度が制度改正されたのを知っていますか?

  • 「制度改正されたのは知っているけど難しそう・・・中身が分からない・・・」
  • 「今更、人に聞くのは恥ずかしい・・・」

といった声がチラホラ聞こえてくるのは気のせいでしょうか?

確かに、政府の介護保険制度改正のパンフレットなどを一見しても難しそうな用語のオンパレードです。しかし、介護保険制度の改正内容を知らずに損していませんか?

そういった方の為に、ここでは2015年から始まった介護保険制度の改正の中身を、噛み砕いて分かりやすくまとめてみましたので是非チェックしていただければと思います。

ザックリと介護保険制度がどう変わったのか学ぼう

まずは、なぜ介護保険制度が改正されることになったのかその背景と目的をザックリと確認しましょう。

制度改正の背景

社会保障費

ズバリ!『超高齢化社会に伴う社会保障費の増加』が、介護保険制度が改正される背景にあります。

日本では、高齢者の人口が増加にともない、医療保険や介護保険といった社会保障費も増加の一途を辿っています。何もこれは今に限ったことでなく、これから何十年にも続くことが予想される問題です。また、金銭面だけが問題ではありません。高齢者を支える若者や介護施設なども不足しています。

したがって、社会保障費の削減や高齢者を支える仕組み作りは、国の緊急課題なのです。

そこで、国は考えました。

国:何とか社会保障費を抑えることが出来ないかな・・・・・

国:そうだ!節約だ!!財源確保だ!!医療と介護の抜本的な制度改革だ!!

皆さんの「もっと早いこと節約しろよ!」「他にも節約できるところがあるだろ?」といった声は、ここでは悪しからず割愛させていただきます。

このような背景で、介護保険法の制度改正が進められることになるのでした。

制度改正の目的

介護保険制度改正の目的

2015年4月から始まった制度改革は「医療介護総合確保推進法」と題して、介護保険法だけでなく医療法など19の法案を一括改正する大変大掛かりなものです。

この介護保険制度改正は、『選択と集中』をキーワードをもとに、「医療から介護へ」「財源確保と公平な費用負担」「限られた資源を有効活用」といった3つを軸に進められます。

医療から介護へ 社会保障の中でも、負担が重い医療保険を改善するために、在宅医療や介護を推進しコストを抑える
財源の確保と公平な費用負担 高所得者の負担を増やし、低所得者の負担を減らすことで、社会保障費の財源を確保しつつ公平な費用負担を実現する
限られた資源を有効活用(重度者への特化) 介護がより必要な要介護度が高い人を選択し、お金や人を集中させコスト削減する

筆者の勝手な想像ですがこのような中身になったのは、きっと裏で次のような葛藤があったからではないでしょうか?

国:ただ、増税したり、介護保険料や利用料をアップさせると○○党がうるさいだろう・・・・

国:そうだ!!!

「比較的自立している人とより介護が必要な人」「高所得の人と低所得の人」を区別・選択し、重度の人にお金やサービスを集中させつつ、所得の大小にかかわらず公平な医療・介護を受けられる社会を目指します。

国:こんな感じなら黙るだろう!さらにダメ押しだ!

「今まで通り住み慣れた地域に暮らし続けてもらう為に、地域密着サービスを確立しよう」といった目的もあります。

著者の勝手な想像です。

それでは実際に、2015年の介護保険制度改正で何が変わったのかチェックしていきましょう。

知っておきたい!介護保険制度改正の11のポイント

先程確認した通り、2015年の介護保険制度改正の目的を一言で表すと「選択と集中」です。選択と集中を推し進める為に、大きく「お金」と「仕組み」が変更されました。「お金」と「仕組み」がそれぞれどのように変わったのか見ていきましょう。

  1. ◎一定以上の所得がある人の介護保険利用料が1割負担から2割負担に増える
  2. ◎介護保険料の支払い基準が見直された
  3. ◎収入が多い人は、高額介護サービス費の限度額が上がった
  4. ◎施設サービスの利用料の低所得者向けの軽減措置が厳格化
  5. ◎特別養護老人ホームの入所が要介護3以上に制限される
  6. ◎要支援者向けのサービスが地域主体になる
  7. お泊りデイサービスが全国基準の届け出制になる
  8. 小規模なデイサービスは地域密着サービスへ移行する
  9. サ高住(サービス向け高齢者住宅)で介護サービスが利用しやすくなる
  10. ケアマネージャーは市区町村が指定する
  11. 地域ケア会議を制度

特に、介護サービスの利用者に直接的な影響があるものに◎を付けています。

お金に関する変更点

介護保険制度のお金

1.◎一定以上の所得がある人の介護保険利用料が1割負担から2割負担に増える

これまでは、介護サービスの利用者が支払う「介護保険料」は、誰でも1割負担でした。

制度改正で、「年金収入やそのほかの所得金額の合計が、1人暮らしで280万円、夫婦で346万円を超える人は、介護保険利用料が1割から2割負担に増える」ことになりました。

2.◎介護保険料の支払い基準が見直された

65歳以上の人が支払う介護保険料は、本人の所得に応じた負担段階が6段階用意されていました。

制度改正で、6段階から9段階に増やし所得に応じたより公平な費用負担を目指すことになりました。これにより、毎月支払う介護保険料が「低所得の人は最大で3割に減額、高所得の人は最大で基準額の1.7倍」になります。

3.◎収入が多い人は、高額介護サービス費の限度額が上がった

制度改正で、1で説明した介護保険利用料の負担が2割になる人の中で、さらに現役世代並みの所得がある人は、高額介護サービス費の自己負担限度額が増える。

  • 同じ世帯で介護保険の被保険者が1人の場合収入が382万円以上
  • 2人以上の場合収入の合計が520万円以上

4.◎施設サービスの利用料の低所得者向けの軽減措置が厳格化

低所得の向けに「特別養護老人ホーム」や「老人保健施設」などの施設サービスの居住費や食費、「ショートステイ」利用時の滞在費と食費といった自己負担を一部軽減してくれる「補足給付(特定入所者介護サービス費)」があります。

制度改正で、この「補足給付」の判断基準が厳しくなり、年間の所得金額が基準以下でも、「補足給付」の対象から外れます

  • 単身者で1000万円、夫婦で2000万円以上の預貯金等がある場合
  • 所得だけでなく、預金や有価証券といった一定の資産がある場合(不動産は含まない)
  • 世帯分離した配偶者の所得が高い場合
  • 所得には、遺族年金や障害年金といった非課税年金も含み計算する

仕組みに関する変更点

システム

5.◎特別養護老人ホームの入所が要介護3以上に制限される

今までは、「特別養護老人ホーム」の対象は、要介護度1~5の人でした。

特別養護老人ホームとは

制度改正により、今後は原則要介護度3以上の人でなければ入所できなくなります。ただし、家族の虐待や日常生活が困難など、やむおえない事情がある場合は例外として認められることがあります。

6.◎要支援者向けのサービスが地域主体になる

これまで、要介護認定でも自立度が高い要支援1・2の人は、訪問介護やデイサービスを介護予防の目的で介護保険を利用して受けることが出来ました。

要支援とは

しかし、ヘルパーやデイサービスの利用者数が増加してきたため、今回の制度改正により、要支援1・2の方は、訪問介護とデイサービスが介護保険サービスから外され、各市区町村が行う地域支援事業に移されることになりました。

7.お泊りデイサービスが全国基準の届け出制になる

お泊りデイサービスとは、本来日帰りのデイサービスの設備を利用して、お泊りできるデイサービスのことです。老人ホームやショートステイの代わりの受け皿として広がったサービスです。しかし、お泊りデイサービスは介護保険適用外であり、また運営や設備に関して明確な基準が無く、安全性や設備、運営などの質が問題視されていました。

デイサービスとは

制度改正で、安心安全に利用できるように、次のような最低限の質を担保するしくみが整えられました。

  • 宿泊サービスの届け出義務
  • 市区町村への事故報告の届け出義務
  • スプリンクラーの設置義務

8.小規模なデイサービスは地域密着サービスへ移行する

これまで、都道府県がすべてのデイサービス(通所介護)の指定・監督を担っていました。

制度改正により、デイサービスの中でも、定員18名以下の小規模なデイサービスが、これまでの都道府県が指定・監督する居宅サービスから、市区町村が指定・監督する地域密着型サービスになります。

9.サ高住(サービス向け高齢者住宅)で介護サービスが利用しやすくなる

今までは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養型医療施設、養護老人ホームなどでしか住宅地特例は認められていませんでした。

住所地特例とは、住民票のある市区町村以外の施設などでも、介護サービスが受けられる特例

制度改正で、新たに住宅地特例の対象にサ高住が追加されました。2015年以降にサービス向け高齢者住宅(サ高住)に入居した人にも住所地特例が適用されるようになりました。

サービス付き高齢者向け住宅とは

例えば、A地区に住民票がある人が、住民票が無いB地区の介護サービスが受けられえるようになりました。

10.ケアマネージャーは市区町村が指定する

ケアマネージャーが所属する居宅介護支援事業所は、これまで都道府県が指定してきました。

制度改正で、2018年から市区町村が居宅介護支援事業所とケアマネの指定、監督の主体になります。

11.地域ケア会議を制度

制度改正で、地域包括支援センターにおける地域ケア会議の開催が法律に明記され努力義務になりました。会議では 困難な事例を検討し、在宅生活が維持できるようケアプランのチェックや地域ごとの課題の把握などを行います。

まとめ

介護保険制度改正で変更されたポイントをご理解いただけましたでしょうか?特に、◎の項目は、介護保険サービス利用者にとって関係が深いものなのでしっかりと押さえておいて下さい。

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