抑うつ症状とその治療・対応法

抑うつ症状

あなたは次のような症状に身に覚えはありませんか?

  • 「最近、お父さん元気が無いな・・」
  • 「病気(パーキンソン病、認知症、脳卒中)を発症してから、やる気が出ない・・」

もしかすると、このような憂鬱な気分や意欲の低下は、抑うつ症状が現れているのかもしれません。

ここでは、抑うつ症状とはどのような症状なのか、どういって克服するのかという事について説明しておりますので、ぜひ参考にして下さい。

抑うつ症状は悲観的で憂うつな状態

一般的な抑うつ症状の症状と原因

抑うつの原因

抑うつ症状とは、気分のふさぎ込み、悲観的になる”憂うつ状態”のことを指します。

したがって、抑うつ症状の方には「自分は、役に立たない人間だ」「死にたい・・生きていても無駄だ」といった自己否定的な発言も見られます。抑うつ症状は、本人にとってとても辛いものであり、生活の質に悪影響を及ぼしかねません。

抑うつ症状の原因は、一般的にはストレスや不安感などの心理的・精神的なものであることが多いです。しかし、認知症やパーキンソン病、脳卒中の場合は、ストレスや不安感だけが原因とは限りません。

認知症やパーキンソン病、脳卒中の抑うつは少し違う

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認知症パーキンソン病脳卒中の抑うつ症状の場合は、ストレスや不安感だけでなく、病気そのものが原因である可能性があります。

当然、認知症やパーキンソン病、脳卒中の場合も、病気に対してのストレスや不安などの心理的な原因が抑うつ症状に影響している場合もあります。ですが、病気により脳の機能が損傷されたことが原因で抑うつ症状が現れるケースもあります。

認知症やパーキンソン病の抑うつ症状の原因と症状

レビーパーキンソン抑うつ

認知症やパーキンソン病の抑うつ症状の場合は、病気によって引き起こされる”セロトニン”や”ノルアドレナリン”といった脳内の神経伝達物質の減少も、抑うつ症状に影響を与えるとされています。

憂うつな気分に支配されるだけでなく、元気が出ない、意欲がわかない、楽しみが感じられないといった症状が病気の初期から現れるのが特徴です。

特に、認知症の中のレビー小体型認知症の方には、抑うつ症状が現れやすく約70%の人が有しているとされています。アルツハイマー型認知症でも抑うつは高い確率で見られますが、レビー小体型認知症ではその2倍以上とも言われています。

高齢者の抑うつ症状は、認知症やパーキンソン病の前触れや発症を告げる合図かもしれませんので、頻繁に現れる場合は専門医へ受診しましょう(参考⇒認知症の病院・専門医の探し方&良い医師・悪い医師の見分け方)。

抑うつ症状を改善させる介護対応

抑うつ症状への抗うつ薬の処方・服用

一般的な抑うつ症状の治療

抑うつの治療薬

一般的に、抑うつ症状に対しては「抗うつ薬」が用いられます。脳卒中が原因の抑うつ症状の治療でも、抗うつ薬で改善が期待できます。

レビー小体型認知症やパーキンソン病の抑うつ症状の治療

しかし、レビー小体型認知症の場合、薬に対する過敏性などの問題があり、薬物治療で抑うつ症状を治そうとするのはあまり勧められません。

また、パーキンソン病の場合も、運動症状のコントロールが不十分なまま抗うつ薬を使用しても芳しい効果が得られず、むしろふらつきなどの弊害ばかりが強くなる恐れがあります。

したがって、抗うつ薬よりも会話やコミュニケーションから抑うつ症状の治療を行っていくこと大切です。

会話やコミュニケーションで抑うつ症状を克服しよう

抑うつコミュニケーションで改善

抑うつ症状の方とのコミュニケ―ショんンのコツは、本人の言う事を尊重しつつ、負担にならない程度に意思決定を促し意欲を高めることです。また、孤独感を感じさせないように、安心感を与えることも必要です。

「死にたい」などの悲観的な言葉をよく発する場合まず考えられるのは、「つらい」という気持ちを「死にたい」という言葉で訴えかけているということです。介護される自分自身の現状への絶望や、今後の人生への不安感でいっぱいになっています。

介護者はしっかりと「あなたは必要な存在であり、大切な人」だという事を伝えましょう。「死にたい」と言われたらその都度、「お母さんが死んだら辛く悲しい」と伝えるのです。

抑うつ症状にはこんな言葉は禁物

コミュニケーションの機会を増やすことは良くうつ症状の方にとって大変有効ですが、次のような言葉には注意が必要です。

  • 「がんばれ」「やる気を出せ」等といった叱咤激励
  • その人自身の能力を試したり、悪い記憶を思い出させたりするコト

上のような言動は、抑うつ症状の方の気分をいっそう落ち込ませたり、自己評価を低下させたりすることがあるので逆効果です。

役割を持ってもらい意欲を向上させよう

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また、日常生活の中では、身体状況に応じて、掃除や犬の散歩など、何等かの役割を持ってもらうことで意欲ややる気の向上が期待できます。「生きる、頑張る」といった「心の強さ」が病気の予後に影響を与える力は、図りしれません。

しかし、無理やり「症状の改善にいいのだから」と無理強いするのではなく、本人が楽しみながら主体的に行動することが一番です。楽しみながら行動することで、レビー小体型認知症やパーキンソン病で減少するドーパミンという物質が放出され運動能力の維持・改善が期待できるからです。

太陽の光を浴び身体を動かそう

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また、散歩などの運動や太陽の光を浴びることも抑うつ症状を改善する効果が期待できます。運動や日の光を浴びることで、気分が晴れ抑うつ症状の改善が期待できるだけでなく、運動能力を高めADLの維持・向上効果が期待できます。

したがって、積極的に外出や趣味活動に身を投じ日の光を浴びることで、抑うつ症状の改善効果が期待できるのです。

食事や水分補給に気を付け抑うつ症状を克服

抑うつ症状を改善させる栄養素を積極的に摂取

大豆

抑うつ症状に関係している脳内の神経伝達物質には、セロトニンやノルアドレナリンなどがありますが、それらを活性化する栄養素を積極的に摂取することも抑うつ症状には効果的です。

  • 大豆やアーモンド
  • チーズや牛乳
  • バナナ
  • 卵黄
  • 赤身のお肉

抑うつ症状から来る、脱水は病気を悪化させる

脱水抑うつ

また、抑うつ症状には、水分や栄養に関する配慮も必要です。意欲の低下によって、自分で食べたり、飲んだりする機会が減ってしまう為です。水分補給を第一に脱水症状にはくれぐれも注意して下さい。

脱水症状が原因で、幻視や妄想、認知能力の低下を招くことも少なくありません。脱水症状の防ぎ方は「脱水症・熱中症の症状や対策法を徹底解説|特に高齢者は注意が必要」を参考にして下さい。

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