疑念
またか・・・・こいつこんな時にまで・・・
過去に、伯父は500万もの借金を隠していたことがある。この借金は、タバコや酒、ギャンブルなどで真っ当な使い道ではないものにより生み出されたのは明白だった。
この騒動が発覚した時は、親戚一同が集まり、何とかして自力で借金を返済する方法はないのか話し合うとともに伯父に詰め寄った。だが結局は、おばあちゃんに借金を全額肩代わりしてもらうに至った。伯父は、タバコや酒、ギャンブルを金輪際止め、月々働きながら借金を返済すると約束し、その旨を借用書にも記した。だが、1年も経たずに返済は滞り、おばあちゃんの期待を裏切ったという過去がある。
さらに昔には、お店の出店費用をほぼ全額おじいちゃんから出資してもらい、2年ほどでお店を潰したという過去もある。
最近では、伯父は大阪を離れ地方で必死に働いていると思ってはいたが・・まだ、タバコやお酒、ギャンブルは止めてないのだろうか。そもそもしっかりと働いているのだろうか。
このような疑問が頭の中を駆け巡った。しかし、この非常事態に伯父を問い詰める気にはならなかったし、余力も余ってはいなかった。また、伯父を叱るべきであろう二人はここには居合わせていなかった。一人はもうこの世にはおらず、もう一人は必死に病気と闘っている最中だ。
まさか、伯父はこんな時にまでおばあちゃんの財布から中身を抜き取る盗人のような真似はしないだろう、きっと急いで駆けつけて来たので、財布にお金が入っていなかったのだろう・・・
私は自分にこう言い聞かせ、また落ち着いたら伯父に確認するよう心に決め、問いただすのを踏み止まったのだった。
しかし、この時は知るよりもなかった、私の想像を遥かに凌駕する伯父の本性を・・
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