要介護5の母と共に|真夜中の悲劇Part15

night

「お母さん!!お母さん!!」

龍也は母の姿を見るなり“こう”叫んだ刹那、その場で両膝から地面に崩れ落ちた。私は、その異様な光景を目の当たりにし、ただ茫然と細い小枝のようになった足で、立っているのがやっとの状態だった。

床に倒れた母は、顔を大きく歪め全身を海老のように曲げ固めて、手足を痙攣させながらのたうち回っていた。そして、口からはよだれを垂らし、「でぇんふぁ・・・でぇんふぁ・・・」と言葉にならない言葉を繰り返し呟いていた。

その中でも特に、異変を感じたのが母の左半身であった。左足は大きく震え、苦しそうな口元を押えている左手は、異常なまでに曲げ固められており、その力は自身の頭蓋骨を押しつぶすほど強いものだった。

この発作は極めて激しく、母の身に生命を脅かすほどの危険が及んでいることは、素人目にも明らかだった・・・

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