分かる!定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

2012年の介護保険制度改正で、最も注目を浴びたのが「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」のサービスが創設されたことです。

介護は24時間365日毎日のケアが欠かせません。

  • 認知症の父は物忘れが激しいので昼夜に関わらず定期的な介護が必要だ
  • 老老介護なので、夜中のおむつ交換が辛い誰か手を貸してほしい
  • 1人暮らしパーキンソン病の父は、決まった時間に薬を飲まなければいけないけど、認知症も進んできたのでちゃんと飲めているか不安だ、誰かの増して欲しい

このような日中・夜間を通じた介護や看護のニーズは症状が重くなるにつれて高くなっていきます。しかし、既存の訪問介護や訪問看護、夜間対応型訪問介護といったサービスでは、なかなか思い通りに24時間365日必要な時にケアを受けること困難です。

また、特別養護老人ホームなどの施設では、夜勤スタッフが常駐し1日最大4時間の介護ケアを受けている人がいる一方、在宅では例え要介護度5と重度の人でも一日の訪問介護の回数は1.5回以下とかなり少なくなっており、施設と在宅での介護サービスの不公平感が長年問題しされていました。

そこで、既存サービスの弱点をカバーし、在宅でも施設サービス並みの手厚い介護看護ケア受けられるよう「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」がスタートしたのです。この記事では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護がどのようなサービスなのか、夜間対応型訪問介護との違いは、料金計算(介護報酬)の計算の流れ、今後の課題に至るまで、分かりやすく説明していきます。

<目次>

  1. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは
    1. 24時間365日体制で介護と看護を提供
    2. ①定期巡回 ②随時対応 ③随時訪問 の3本柱
    3. 夜間対応型訪問介護との違い
    4. 対象者
    5. 一体型と連携型に分れる
  2. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の介護報酬
    1. 定額制で訪問回数の制限はなし
    2. 月額費用をシミュレーション計算してみよう
  3. 今後の課題

1.定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは

24時間365日体制で介護と看護を提供

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

出典:広報よこはま

定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは、24時間365日を通じて訪問介護と訪問看護をタイミングよく柔軟に提供するサービスです。日中・夜間を通じてホームヘルパーや看護師などが1日に複数回、定期訪問な巡回をし、随時利用者や家族の通報により居宅を訪問し、日常生活のサポートや療養上の世話等を行います。また、1日のうち必要なタイミングで必要な内容のケアを何度でも利用できます。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、食事介助や、排泄介助、入浴介助など生活の世話をする「訪問介護」と、体温脈拍、呼吸、血圧などの健康チェックや経管栄養などの一部医療ケアを行う「訪問看護」2つのサービスを一体的に自宅で受けられます。

したがって、一人暮らしのお年寄りや介護度の高い人、専門的な医療が必要な人でも住み慣れた地域で安心して生活が出来るのです。

参考リンク>訪問介護 訪問看護

①定期巡回 ②随時対応 ③随時訪問 の3本柱

定期巡回,随時対応,随時訪問

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービスは、「定期巡回」「随時対応」「随時訪問」の3本柱で成り立っています。

定期巡回 ホームヘルパーや看護師が定期的に利用者宅を巡回し介護や看護を行う。
随時対応 予め利用者の状況などを把握したうえで、利用者またはその家族からの通報を受け、専門知識を持ったオペレータースタッフが電話での相談に随時対応し、随時訪問が必要かどうかを判断する。
随時訪問 オペレーターからの要請を受けたホームヘルパーや看護師が訪問し、計画にない随時の訪問介護や看護サービスを行う

いずれの場合も、訪問看護は主治医の指示に基づくものと定められています。主治医の指示は医療処置に対するものなので、緊急時に医師と連絡が取れず、訪問看護師の随時訪問が出来ないということはありません。

また、個別の訪問介護や訪問看護と異なりチームで対応する為、情報共有がスムーズに行われより利用者や家族の状況に合わせたサービスが提供されやすいのもメリットです。急な体調の変化などにも専門知識を持つスタッフが随時相談を受けてくれるのもうれしい点です。

なお、ここでいう随時対応とは、呼べばいつでも来てくれるという事ではなく、事業所に常駐しているオペレーターが利用者の話を伺い、訪問介護や看護の必要があれば手配をしてくれる橋渡し的なサービスです。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関わるスタッフと人員基準
訪問介護職員 介護福祉士、 実務者研修修了者、介護職員基礎研修、訪問介護員1級、訪問介護員2級
訪問看護職員 保健師 看護師、准看護師 、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
オペレーター、計画責任者 医師、保健師、看護師、循看護師、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、訪問介護1級など

ただし、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用しているデイサービスショートステイといった通所系・訪問系サービスは 引き続き利用できますが、利用できなくなるサービスもあるので、ケアマネージャーと相談して決めましょう。

夜間対応型訪問介護との違い

夜間対応型訪問介護との違い

地域密着型サービスの夜間対応型訪問介護と似ていますが、定額で1日何度でもサービスが利用出来ること24時間体制で「訪問介護」と「訪問看護」が利用できるという2点が大きく異なります。これまでも24時間いつでも自宅を訪問して介護してくれる「夜間対応型訪問介護」がありましたが、3つの理由により余り普及しませんでした。

  1. 介護報酬(利用料金)が出来高払い制なので、何度も呼ぶと費用が高くなり気軽に呼べない。
  2. 夜間にヘルパーが自宅へ訪問することへ利用者や家族の抵抗感。
  3. おむつの性能が向上し、夜間のおむつ交換の頻度が減少した。

そこで①番の課題を解決するために登場したのが「定期巡回・随時対応型訪問介護」です(②番はサービス付き高齢者向け住宅の増加での課題解決が期待されている)。

対象者

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の対象者は「要介護1~5」の人のみです。特に、既存の訪問介護や夜間対応型訪問介護では在宅生活を支えることが困難な重度の要介護者や独居などの高齢者を支える役割が期待されています。しかし、このサービスは、市区町村により実施していない地域もあります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、要支援1・2の人は利用できません。

一体型と連携型に分れる

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、大きく「一体型」と「連携型」の2つに分かれます。

  • 「一体型」1つの事業所で訪問介護と訪問看護のサービスを両方提供する介護看護一体型
  • 「連携型」訪問介護を行う事業所が地域の訪問看護事業所と連携してサービスを提供する介護看護連携型

「一体型」「連携型」どちらも介護事業所と医療機関と協力しますが、訪問看護サービスを利用しないという選択もできます(その分介護報酬が減額されます)。

2.定期巡回・随時対応型訪問介護看護の介護報酬

定額制で訪問回数の制限はなし

介護報酬

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利用料は、利用回数に制限はなく要介護度別に月額利用料が設定されています。また、「訪問介護・看護の両方を利用した時」と「訪問介護サービスのみを利用した時」の2つの料金プランが設定されています。

そして、「一体型定期巡回・随時対応型訪問介護看護」と「連携型定期巡回・随時対応型訪問介護看護」を利用する場合では介護報酬単価に違いが出てきます。

  • 一体型の場合は、訪問介護と訪問看護の両方を利用した時の料金と、訪問介護のみを利用した時の2つの料金プランが設定しています。
  • 連携型の場合は、訪問介護の利用料と、訪問看護の利用料がそれぞれ設定されていて、両方を利用した場合は合算されます。

さらに、デイサービスやショートステイといった通所系・訪問系サービスと定期巡回・随時対応型訪問介護看護を併せて利用する場合、基本利用料が減額される扱いもあります。

通所系サービス利用時には、1日分の単価の3分の1(33%)相当額を日割り減算する。短期入所系サービス利用時には、短期入所系サービスの利用日数に応じた日割り計算を行う。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護費
要介護度 一体型 連携型
訪問介護・看護 訪問介護のみ 訪問介護・看護 訪問介護のみ
要介護1 8,255単位 5,658単位 8,593単位 5,658単位
要介護2 12,897単位 1,0100単位 13,035単位 1,0100単位
要介護3 19,686単位 16,769単位 19,704単位 16,769単位
要介護4 24,268単位 21,212単位 24.147単位 21,212単位
要介護5 29,399単位 25,654単位 28,589単位 25,654単位
通所系・短期入所系サービス利用時の1日の減算額
要介護度   通所系(デイサービス、デイケア、認知症対応型通所介護) 短期入所系(ショートステイ)
訪問介護・看護 訪問介護のみ 訪問介護・看護 訪問介護のみ
要介護1 ▲91単位 ▲62単位 272単位 186単位
要介護2 ▲141単位 ▲111単位 424単位 332単位
要介護3 ▲216単位 ▲184単位 648単位 552単位
要介護4 ▲266単位 ▲233単位 798単位 698単位
要介護5 ▲322単位 ▲281単位 967単位 844単位
ターミナルケア加算 2,000単位
緊急時訪問看護加算 290単位/月
通所サービス利用時の調整 △62単位~△322単位/日
サービス提供体制強化加算Ⅰ 500単位/月
サービス提供体制強化加算Ⅱ・Ⅲ 350単位/月

月額費用をシミュレーション計算してみよう

定期巡回・随時対応型利用料金計算

それでは実際に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護に掛かる月額料金をシミュレーション計算してみましょう。

  • 利用者は要介護度4
  • 連携型定期巡回・随時対応型訪問介護看護事務所サービスを利用
  • 訪問介護と訪問看護の両方の利用
  • 月6回デイサービスを利用

以上のサービスを利用した場合、次のように料金計算できます。(1単位=10円、個人負担=1割負担の場合)

【計算式】

  • 【1ヶ月分の単位数】 24,147単位(基本利用料)-(266単位×6回=デイサービス減算額)=22,551単位
  • 【1ヶ月にかかる介護サービス費(保険適用前)】 22,551単位×10円=225,510円
  • 【1ヶ月にかかる介護サービス費(自己負担1割)】 225,510円×10%=22,551円

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の自己負担費用(1ヶ月分)=24,147円

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間手厚いサービスを受けられるので料金は高めに設定されています。介護保険給付限度額をよく考えて他のサービスとバランスを取ることが大切ですので、よくケアマネージャーと相談しましょう。

3.今後の課題

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は創設されたばかりなので、市区町村の指定が始まったばかりです。参入する事業者がどの程度いるのかも未知数です。また、ヘルパーを常勤で雇える事業所は少なかったり、地域の事業所では人手不足もありサービスの提供体制も不十分なところが多いです。今後広く定期巡回・随時対応型訪問介護が普及していくためには、人材確保など多くの課題が残されています。

そして、費用面では、デイサービスやショートステイと併用した場合、支給限度額を超えて思ったよりも費用が掛かることも考えられます。ケアマネージャーと相談よく相談し、各種サービスが適切に利用できるように心掛けましょう。

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