高齢者の栄養不足を予防・改善するバランスのいい食事を作る3つのポイント

食べやすい食事

みなさん在宅介護をする上で、うちの「お父さん・お母さんはしっかり栄養が摂れているのかな?」「そもそも高齢者に必要な栄養ってなに?」と悩んでおられるのではないでしょうか。

そんな悩みを持つ介護者さんの今晩の献立の参考に、少しでも役立てていただければと思います。

足りない栄養素を補い、栄養バランスの良い食事で介護を楽に!

高齢になるとついつい以下の理由などで、栄養不足や栄養バランスが偏りがちになってしまいます。

  • 1.加齢や運動不足による食欲の低下消化機能の衰えによって十分な栄養が取れない。
  • 2.高齢者は若者と比べて、基本5味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)のうち、特に、甘味・塩味の味覚感受性が低下することで、ついつい味付けの濃いものを好むようになり、塩分や糖分を過剰に摂取してしまう。
  • 3.歯が悪くなったり、水分不足から、嚥下(食べる)機能が低下し、硬いもの(お肉)や繊維の多いもの(海藻、くだもの、野菜)を好まなくなり、たんぱく質やビタミン・鉄分・カルシウム・食物繊維が不足してしまう。

1.高齢者の病気や体の症状と取るべき栄養素の関係性

野菜

老化による栄養不足は誰にでも起こることです。介護者は、高齢者や要介護者の身体の変化に対し、日頃から注意深く観察し、早めに予防することが大切です。

特に、下の表の病気や症状をお持ちの方には、率先して表を参考に必要な栄養素を取っていただければと思います。しかしだからと言って、そればかりを過剰に取りすぎてはいけません。あくまでも一番心がけていただきたいことは、バランスの良い食事を取ってもらうことです。

症状 不足しがちな栄養素
①骨粗しょう症 骨の主成分のカルシウムはもちろんのこと、吸収を高めるためのビタミンDやマグネシウム・リン・たんぱく質などさまざまな栄養素が必要
②皮ふのしわや乾燥肌、 うなぎ、牛すじ、ゼラチン、砂肝、鶏肉などのコラーゲンが入った食材、また、食物繊維で便秘予防や腸の働きを正常にすることが大切。
③口にできた口内炎・口角炎・出血 レバーやさば、たまごなどに含まれるビタミンB2が必要です。
④筋肉の衰えや思考能力の低下

魚や肉、たまご、牛乳などのたんぱく質が必要です。

⑤疲れやすい、やる気が出ない

カキやカツオ、イワシ、菜の花、ほうれん草あさりに含まれる鉄分が必要です。

2.「主食」「主菜」「副菜」を揃えバランスのいい食事を作ろう

嚥下食事

「主食」、「主菜」、「副菜」それぞれの役割を押さえて上手に栄養管理をしましょう。
また、1日に必要なエネルギー量目標体重/kg×25~30kcalです。

  • 「主食」は、主にご飯やパン、うどんなどの穀物から摂取できる、炭水化物とエネルギー源の供給源の管理に使いましょう。
  • 「主菜」は、主に魚や、肉、卵、大豆から摂取することができ、たんぱく質や、脂質、エネルギー源、ビタミン、ミネラルの供給源の管理に使いましょう。
  • 「副菜」は、主に野菜・キノコ・海藻類・おイモから摂取することができ、食物繊維、ビタミン、ミネラルの供給源の管理に使いましょう。

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3.食べたいときに食べさせよう

朝・昼・晩と一日にしっかりと決まった時間に規則ただしく食事をとることは生活のリズムを付ける上で大切です。しかし、食べたくないのに無理をするのはストレスの原因となります。

おやつなどを利用したり、少しずつでも、何回かに分けて食べるなどの工夫をして、あまり身構えすぎずに栄養をとれるようにしましょう。

まとめ

足りない栄養素を補いつつバランスよく食事をとることは、介護予防やこれ以上症状を悪化させない為にもとても大切なことです。
また、介護者さんは、高齢の方や要介護者にバランスのいい食事を作ることが、同じ食事をとる介護者さん自身の介護予防や健康管理にもつながりますので、あまり身構えずに出来る限りでよいので、頑張って頂ければと思います。

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