トイレ介助をスピーディに!上手な排泄介護用品の選び方のコツ
「うちのお爺ちゃんは1人で歩けないし・・トイレはどうしたらいいの?」「どういった排泄介助アイテムがあるの?」といったお悩みをお持ちではないでしょうか。
本人の生活の自立や介護者の介助量の軽減を考えたとき、排泄のレベルの維持・向上は重要なポイントです。本人ひとりでトイレに行き、用をたして帰ってこれたら上出来です。
しかし、老化や脳出血のマヒなどで身体が不自由な方にとって、自分ひとりでトイレまで行き用をたすことは至難の業です。そのような場合は、この記事を参考にその方の病状や状態に合わせたトイレの仕方や排泄介助用品の使用を検討してみてください。
1.本人の病状や状態に合わせ最も良いトイレの仕方を考える
できる限り大人用おむつの利用を制限し(夜中や便意や尿意がないなど、やむおえない場合を除いて)、リハビリテーションや排泄介助用品の使用することで、排泄レベルを上げる工夫をすることが重要です。
少しでも、今より自立的な方法でトイレができるなら、医師やリハビリの先生の指導の下、トイレの仕方を検討・練習・実施して下さい。 ポータブルトイレや尿器などの排泄介助用品を上手に使い、少しでも自立的にトイレができると、本人の自信にも繋がるだけでなく、介護者の介護負担の軽減にもつながります。
また、下の世話をしてもらうことは、「恥ずかしい、死んでしまいたい」と思うくらいショックなものです。その感情を逆手にとり、「リハビリを頑張って絶対ひとりでトイレをしてやる」というリハビリテーションのモチベーションアップに繋げましょう。
2.トイレ排泄介護用品を排泄レベルに合わせて上手に使おう
「トイレ」から「大人用おむつ」に至るまで、病気や障害の状態に合わせた様々なトイレ・排泄介助用品があります。本人の状態に合った排泄介助用品を選ぶことで、ADL(日常生活動作)の向上に繋がります。
あなたに最適な排泄介護用品の選び方
排泄介助用品選びのポイントは、安易におむつに頼るのではなく、その人のADLの状態に適したものかつ将来的な自立排泄を目指したものを選ぶことです。上の図を参考にしてその人に合った排泄介助用品をお選びください。
もし、現在おむつを使用しなけらばいけない方でも、図を参考にして適切な排泄介助用品を選び、なおかつリハビリテーションを組み合わせることで、今よりも自立した状態でトイレが出来るように配慮することが大切です。
トイレ
対象 | 便意・尿意があって座位・立位が保てる人。トイレまで行ける人(自力または軽介助で車椅子からトイレへ移乗できる人) |
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ポイント |
自力でトイレへ行き、自力で排泄できるように周囲は支援します。誰の介助も受けず、好きな時に行けることは、本人の自信にもつながります。 トイレ用の手すりを取り付けると安全に便器からの立ち上がりやズボンの上げ下げが出来ます。 |
ポータブルトイレ
パナソニック ポータブルトイレ 座楽 背もたれ型SP ベージュ VALSPTSPBE
対象 | 便意・尿意があって座位・立位が保てる人。ベッドの上での起き上がり(介助でも)が出来るがトイレまで行くのが困難な人 |
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ポイント | ポータブルトイレが使えれば通常のトイレで行えるケースが多くあります。まず、通常のトイレを利用できないか検討してください。ただし、自力でトイレへ行ける人でも、夜間など不安な場合にはポータブルトイレを使う方法もあります |
使用方法は「必見!ポータブルトイレを安全かつ快適に使用する方法」で詳しく説明しております。
便器・尿器
対象 | ベッドの上が生活の中心で坐位が保てない人。便意・尿意を伝えられる人 |
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ポイント | 座っていられない人は、尿器・便器を利用します。排尿は1日6~8回、多い人で10回以上あります。自力で尿器をあてて、衣類の着脱、尿器の始末ができる人は自力で行ってもらいます。これだけで介護者の負担はだいぶん減るだけでなく、本人も自信がつきます。 自力でできない人は介助によって便器・尿器を使用します。 |
使用方法は「もう失禁知らず!上手に尿器を利用し介護を楽にしよう」
「排尿・排便の便利アイテム!差し込み便器を使いこなそう」で詳しく説明しております。
オムツ
対象 | 便意尿意が伝えられない人 |
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ポイント | ふさわしいオムツは本人の状態によって違います。 男性か女性か、身体が大きいか小さいか、ベッドに寝たきりの人か寝たきりでない人か、尿が多い人か少ない人かなどを考慮します。 購入するときは、できればサンプルを試用して、自分に合ったものかどうか確かめるようにしましょう。 |
使用方法は「もう尿漏れ知らず!上手に介護用オムツ・パッドを交換するコツ」で詳しく説明しております。
3.排泄時間のスケジューリングとルーチン化して効率アップ!!
介護者さんは、何度も尿が出ているかのかいないか確認する作業に追われていませんか?
以前は、私も母に「おしっこ出ました~」と20分おきにオムツ交換するよう催促されていました。その都度ズボンを脱がし、おむつを広げ、おしっこが出ているかどうか確認していました(大抵はおしっこが出ていないにもかかわらずです)。
しかし、今では次の方法を実践することで、排尿の確認回数も減り、排泄介助が大幅に効率化されました。そのポイントについてまとめましたのでご参考にしていただければと思います。
排泄時間をスケジューリングしてみよう
毎日の排泄にあまりにも時間がかかるようなら、一日のスケジュールを考えてメリハリをつけるのも良いでしょう。スケジューリングすることで、本人も介護者の方もいつ排泄をしたらいいのか分かりやすくなります。また、毎日スケジューリングに沿って排泄介助をしていると自然とその時間になるとおしっこが出やすくなります。
著者の場合、ご飯前(朝・昼・夜)、食後約2~3時間後ベッドへ休憩に戻った時など、オムツ交換の時間をあらかじめ決めておき、それに合わせてトイレをしてもらっています。
1杯の水で尿意を自由自在にコントロールしよう
また、その前に必ずコップ一杯の水分を摂ってもらっています。コップ一杯のお水を飲んでもらうことは、臓器を刺激し排尿を促進させるだけでなくもう一つ狙いがあります。
イチロー選手は、毎回必ず打席に入る前に、ルーチン(反復動作)をしています。これは、安定した打撃を実現する為に、準備動作をルーチン化させているそうです。同様に、トイレの前に必ずコップ一杯の水を飲んでもらうことで、安定的に排尿を促すことが出来ます。排泄時間のスケジューリングや、トイレ前の動作のルーチン化をすることで、「尿が出ているか出ていないか」何度も確認する必要がなくなり、膀胱炎などにかかるリスクが抑えられます。
まとめ
- 本人に合わせたトイレの仕方を見つける
- トイレ排泄介助用品を使うことで大幅に効率アップ
- スケジューリングやルーチン化
自分自身が排せつ介助される側の立場に立って、要介護者のトイレについて真剣に考え実行してあげることが、本人にとっても、介護者にとっても必ずプラスに働きますので根気強く温かく対応してあげてください。
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