寝ずの番

寝室の障子を開けると、そこにはおばあちゃんの傍らで、座布団を枕にして眠る龍也の姿があった。

龍也は、昨日から今にかけて一睡もしておらず、ましてやおばあちゃんの遺体を発見した第1発見者であり、また母の容態の変化を一番間近で見ていたので、体力面はもとより精神面においても人一倍疲弊したのだろう。

また、ここ数年の間、最もおばあちゃんの身近にいたのは龍也だ。私の思い過しかも知れないが、龍也は今までの感謝の気持ちを夢の中でおばあちゃんに伝えるように思えた。

私は、押入れの襖を開け中から掛布団を取り出し、ソッと龍也の身体に掛けた。

そして、今にも消えそうなほど短くなった線香を絶やさないよう、新たな線香を継ぎ足した。

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