奇妙なやる気

私の不慣れな運転で来た道を戻り、おばあちゃんの家に帰った。

龍也の持っているキーで鍵を開け中に入った。居間には叔父が椅子に腰を掛けテレビに向けていたであろう視線を私たちへと送った。

「お姉さんの調子はどうでしたか?」

「まだ、意識はない状態みたい。ちょっと反応を返してくれたようにも思えたんやけど、看護師さん曰くそれもなんとも言えんようですわ」

「まあ、お姉さんのことやからすぐに元気になりますよって。ワイもバイク事故で2、3日意識がなかってんけど今はこうしてピンピンしてますよって。ああーそうそう、ぼちぼち式場行ってお通夜の準備しに行きましょか?もうお母さんは、先に式場に行ってますねんや。そやお前らもちょっと休憩したらすぐに向かうぞ」

仕切りたがりのおじいちゃん譲りなのか、おばあちゃんの為に喪主を全うしたいという思いなのだろうか、それとも全く別の理由なのか、この時の叔父はこの場の雰囲気には場違いなほどに生き生きとしていた。

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