アルツハイマー型認知症の原因となる危険因子はコレだ!!
近年のアルツハイマー病の研究では、「アミロイドβ」というタンパク質が脳内に溜まり、脳を委縮させてる原因なのではないかということが分かっています。
しかし、全容解明とまでは至っておらず、アルツハイマー型認知症や若年性アルツハイマー病の原因である「アミロイドβ」を完全に消滅させる薬の開発までには至っておりません。
ですが、今現在も研究は目覚ましい勢いで進められており、その中で、アルツハイマー型認知症や若年性アルツハイマー病の発症率を高める危険因子については相当のことが分かってきています。
アルツハイマー病の危険因子には、遺伝などの改善の余地がないものがありますが、対策することで改善できるものもいくつかあることが分かっています。そして、危険因子は2つ3つと増えていく程、それぞれが影響し合い発病しやすくなることも分かっています。
したがって、アルツハイマー型認知症や若年性アルツハイマー病の危険因子には、どうのようなものがあるのかを知り、自身に当てはまるものを改善し数を減らすことが、認知症予防・改善に繋がるのです。ここでは、アルツハイマー病の危険因子には「何」があるのかを確認していきたいと思います。
改善が困難なアルツハイマー型認知症の危険因子
個人の努力でどうすることもできない危険因子としては、次のようなものがあります。
- 加齢・・・65歳以上では毎年5歳刻みでアルツハイマー型認知症の発症リスクが倍増する
- 家族の病歴・・・親や兄弟にアルツハイマー型認知症や若年性アルツハイマー病の方がいると発症率は、そうでない人と比べ約5倍になる
- 遺伝子の異常・・・コレステロールなどの血清脂質を運ぶタンパク質で、「アポリポタンパクEに遺伝子ε4」を持っていると危険度が高まると言われています。ただし、高齢者ではその影響は薄まるともいわれています。ダウン症候群では60歳までに約50%で認知症の症状が現れると言われています。
改善できるアルツハイマー型認知症の危険因子
最近の研究では、脳血管性認知症の危険因子の高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの病気がアルツハイマー型認知症や若年性アルツハイマー病の発病と関連性があることが分かってきています。
また、食事や運動、休養、生活環境などの生活習慣がアルツハイマー病の発症や抑制に関連していることが分かってきています。
病気
- 糖尿病・・・健康な人より危険度が高いとの論議が多くなされています。
- 頭部外傷・・・統計では、ボクサーなどの意識障害を伴うような頭部へのケガを負った人に認知症の発病が多いことがわかっています。
- 血管系の病気・・・中年気に高血圧症や脂質異常症があると、老年期に認知症になり易いという報告があります。抗コレステロール薬のスタチンの服用者で発症率が低いとの報告から、コレステロールの役割が注目されています。また、アルツハイマー型認知症は、高齢の為脳動脈硬化の病変が見られることがあり、動脈硬化の危険因子であるホモシステインという物質が血液中に増加しているとの報告もあります。
食事
特に、食べ物の影響が大きく認知機能との関連を調べた食事の疫学調査では次の点が共通して挙げられます。
- ビタミンB群の不足
- 抗酸化物質の不足
- カルシウム、亜鉛、鉄などのミネラルの不足
- 総脂質、飽和脂肪酸、コレステロールなどの脂質の摂取が多い
認知症に効果的な食事については、『食習慣の改善で認知症予防!効果的な食べ物を大公開』でさらに詳しく解説しております。
運動不足や知識活動不足
運動や本を読むなどの知的活動をすることにより脳が活性化され、認知機能が低下しにくいことが分かっています。
また、運動は糖尿病や高血圧症などの病気予防にも寄与し認知症の発症率を下げます。逆に、運動や知識活動を行わないとアルツハイマー型認知症の発症率が高まってしまいます。
環境的な変化
認知症が発症・悪化する背景には心理的な面あるいは生活環境などの影響も見逃せません。
- 配偶者や親しい人との別れ
- 退職
- 孤独・孤立
- 入院・老人ホームへの入所など長年住み慣れたところからの転居
まとめ
アルツハイマー病の危険因子のうち、遺伝や加齢といったものは個人の努力では改善が難しいものです。しかし、高血圧や糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病や食事や運動、生活習慣といったものは個人の努力で改善が可能なものが多いと思います。
よって、アルツハイマ―型認知症や若年性アルツハイマー病の危険因子の中で、減らせるものを減らしていくことがアルツハイマー病の進行を食い止めるきっかけになるのです。
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