コレステロールを下げる為に知っておくべき事
みなさんはコレステロール=動脈硬化の原因=体に悪いというイメージをお持ちではないでしょうか?
確かに、コレステロールは動脈硬化の促進し、高血圧や脳梗塞などの病気の原因となります。しかし、実はコレステロールは私たちの身体に必要不可欠なものです。
ここでは、「コレステロールって何?HDLコレステロールLDLコレステロールって何?」そんな疑問に対する答えだけでなく、「コレステロールを下げる方法・調整する方法」についても詳しく解説しております。
- 目次
- 1.コレステロールとは?
- 2.コレステロールの3つの役割
- 3.善玉コレステロール(HDL)、悪玉コレステロール(LDL)とは?
- 4.コレステロールを下げる方法
- 食事でコレステロールを下げる
- 運動でコレステロールを下げる
1.コレステロールとは?
コレステロールとは、人間や動物の中だけにある脂質です。コレステロールは食事で取り入れられるだけでなく、実は体内で日々作られています。大体のコレステロールの摂取または作られる割合は、食事から約30%、残りは肝臓や小腸などの臓器で60~70%ものコレステロールがつくられているのです。コレステロールは、人間活動を維持する上で、一日あたり1000~2000㎎は補充する必要があります。
健康な人であれば、コレステロールの量を身体に必要な量に自然と調整します。例えば、コレステロールが過剰な場合は排泄し、逆にコレステロールが足りない場合は、体内から作り出してバランスを取り出し調整します。
2.コレステロールの3つの役割
コレステロールは私たちに必要不可欠なものです。それでは、「なぜコレステロールが必要なのか」を、コレステロールが担う3つの大きな役割に着目して確認していきましょう。
- ウィルスや化学物質などの侵入を守る細胞膜を作る成分になる。
- 男性・女性ホルモンを作る成分になる
- 脂肪の消化を助ける胆汁の材料になる
こういったものの材料としてコレステロールは必要となってきます。コレステロールが無くなってしまうと、ウィルスにおかされたり、生殖能力がなくなったり、脂肪が十分に消化されずに下痢になったりしてしまいます。
また、コレステロールは水に溶けません。なので、コレステロールを血液になじみやすいようにリン脂質やアポタンパク質という物質でコーティングすることで、血管の中を滑らかに流れることが出来ます。こうしてできたコレステロールとコーティングの集まりをリポタンパクと言います。リポタンパクの姿となりコレステロールは全身に届けられるのです。
3.善玉コレステロール(HDL)、悪玉コレステロール(LDL)とは?
コレステロールには善玉、悪玉があるということを耳にした方も多いのではないでしょうか?その名前から「悪玉が悪い!!」と思っている方も多いと思います。しかし、実はそれは間違いなのです。コレステロールそのものに善玉・悪玉があるわけではありません。
それでは一体なぜ善玉・悪玉コレステロールという名前が付いたのでしょうか?早速解明していきたいと思います。
1.HDLコレステロールとLDLコレステロール
コレステロールを運ぶリポタンパクの違いによって、体内での働きが善玉、悪玉にわかれます。善玉コレステロールのことをHDLコレステロール、悪玉コレステロールのことをLDLコレステロールと言います。
それでは、なぜこう呼ばれるのでしょう?
2.悪玉LDLコレステロールは全身に必要なコレステロールを運ぶ
LDLコレステロールは、コレステロールを全身に送り届ける役割を担うリポタンパクです。しかし、コレステロール量が多くなりLDLコレステロールが多くなりすぎると、血管内で使われなかったり、排泄されなかったLDLコレステロールが溜まってしまうことで動脈硬化の原因となります。これが悪玉コレステロールと呼ばれる由縁です。
3.善玉HDLコレステロールは全身から余分なコレステロールを回収する
反対にHDLコレステロールは全身の余分なコレステロールを回収する役割を担っています。血管内のコレステロールを適正な量に抑えることで動脈にコレステロールが溜まることを防ぎ動脈硬化を抑制します。
4.危険なのは高LDLコレステロール
善玉HDLコレステロールも悪玉LDLコレステロールどちらも私たちが生きていく上で必要なものなのです。しかし、コレステロールの摂り過ぎでLDLコレステロールが増え過ぎたり、HDLコレステロールが少なかったりすることこそが、動脈硬化の重大な危険因子となるのです。なので、LDLコレステロールのことを悪玉コレステロール、HDLコレステロールを善玉コレステロールと呼ぶようになったのです。
4.食事でコレステロールをコントロールする
コレステロールを上手くコントロールするポイントは、次の3つです。
- コレステロールの多い食品の摂取を控える
- 肉の脂(飽和脂肪酸)の摂取を控え、魚や植物に含まれる不飽和脂肪酸を増やす
- 食物繊維の多い食品を取る
コレステロールを多く含んだ食品
コレステロールを多く含んだ食品を食べ過ぎると総コレステロール値が増えます。例えば、卵、レバー、たらこやいくら、カズノコなどの魚卵類、うなぎやあなご、牛乳の脂肪分から作られるチーズや、バター、生クリームなどにコレステロールが多く含まれています。
まずはコレステロールが上がりやすくなる食品を控えることが大切です。また、食べ過ぎは禁物です。食べ過ぎにより、全体の総コレステロールの値、特に悪玉LDLコレステロールの値も上昇します。
バランスの良い食事がコレステロール改善の大前提
コレステロール特にLDLコレステロールを摂りすぎることはいけません。しかし、コレステロールは人間に必要な物質ですので、あくまでもバランスの良い食事を心掛けることが何よりも大切です。
バランスのよい食事をとることこそが、コレステロールを下げる上で重要です。少量ずつ多種類の食品をとることで、栄養素が補いあって、結果的にコレステロールを摂りすぎることを防げます。
青魚に含まれる油はLDLコレステロールを下げる
魚の中でも、特にいわしやサバ、サンマ、アジ、マグロなどの青魚に多く含まれるEPAやDHAという成分はLDLコレステロールを減少、HDLコレステロールを増加、中性脂肪の減少させる働きがありますので、積極的に取りましょう。EPAやDHAは魚の頭に多いので切り身よりも尾頭付きの方が効率的にコレステロールを調整できます。
食物繊維や取りコレステロールを下げる
野菜に含まれる食物繊維は、コレステロールを下げる効果があります。
特に食物繊維を多く含むブロッコリーやニンジンなどの緑黄色野菜、わかめや昆布などの海藻類、きのこなどがおススメです。
動脈硬化はLDLコレステロールが酸化することで、起こりやすくなることが分かっています。
なので、抗酸化物質のビタミンE・Cを多く含むかぼちゃや食物油、小松菜、ほうれん草などを積極的に摂取しましょう。
アルコールと善玉のHDLコレステロールの関係
アルコールは善玉のHDLコレステロールを増やします。しかし、一方アルコールを摂りすぎると中性脂肪の合成が高まります。そして、中性脂肪値が高くなるほどアルコールを飲み続けると、善玉のHDLコレステロールの増加は見られなくなり、むしろ逆に低下することもあります。
5.運動してLDLコレステロールを下げる
コレステロールを下げるには運動も効果的です。
運動をすることで血流がよくなると、酵素が活発に働いてコレステロールを運ぶLDLコレステロールが分解されやすくなります。特に、マラソンやウォーキング、ジョギング、サイクリングといった有酸素運動がコレステロールを下げるのに適しています。
HDLコレステロールや中性脂肪は比較的早く改善しますが、LDLコレステロールはある程度運動を続けないと下がってこないので有酸素運動の方が効果的です。
そして、何よりもコレステロールや中性脂肪を減らすには、常日頃身体を動かすようにすることが一番重要です。
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