必見!ポータブルトイレを安全かつ快適に使用する方法
「ポータブルトイレは、どうやって使うんだろう?」そんな疑問を抱えている方はきっと多いはずです。
ポータブルトイレに座ることで得られる排泄の爽快感や排泄の自立の満足度は、おむつや尿器といった数ある排泄介護グッズの中でもトップクラスです。したがって、積極的にポータブルトイレを使用した排泄が出来るように、練習や実践を積み重ねることが大切です。
しかし、大変便利なポータブルトイレですが、一度間違った使い方をしてしまうと「骨折」や「腰を痛める」といった大事故に繋がりかねません。したがって、この記事でしっかりと正しく安全なポータブルトイレの使い方を確認していただければと思います。
ポータブルトイレ使用時のチェックポイント
安全快適にポータブルトイレを使用する際の注意すべき点がいくつかありますので、しかっりとチェックしておいてください。
ポータブルトイレの対象者
ポータブルトイレの対象者は次のような方です。
- 便意・尿意がある方
- 座位・立位が保てる方
- 自力または介助で、ベッドからの起き上がりが出来るがトイレまで行くのが困難な方
この項目に当てはまらない方は、ポータブルトイレの使用が危険な場合がございますので、『トイレ介助をスピーディに!上手な排泄介護用品の選び方のコツ』を参考にしてその人にあった排泄介助用品をお選びください。
使用時の5つのチェックポイント
- 介護用バーのついたベッドならより安全にベッドからポータブルトイレまで移動できる
- ポータブルトイレはあらかじめベッドのそばに置いておくと移動距離が少なくて済む
- ベッドの高さとポータブルトイレの高さを合わせると移動しやすくなる
- 介助で行うときは本人に抱き付いてもらい、身体を密着させてポータブルトイレまで移動すると小さな力でスムーズに移動できる
おススメのポータブルトイレ
パナソニック ポータブルトイレ 座楽 背もたれ型SP ベージュ VALSPTSPBE
からだの動きを配慮した充実機能、ポータブルトイレのスタンダードタイプです。
- ひじ掛けやポータブルトイレ本体の高さを調節することができます
- ひじ掛けは必要に応じて簡単に取り付け・取り外しが可能です
- 簡単に着脱でき、丸洗いできるので清潔さが保てます。消臭剤を練り込んだポットを採用/ポットに付着した悪臭に消臭効果があります
- 左右にポケットが付いており、トイレットペーパーや小物が収納できます
2.自力でポータブルトイレを利用する方法
比較的障害の軽い方は、ベッドの手すりや介助用バーを利用して、自力で立ち座りを行いトイレを済まします。
1.ズボンを下ろす
介助用バーかポータブルトイレの手すりにつかまり、立ち上がりながらズボンを下げて下さい。その時ポータブルトイレはベッドの近くに置いておくと移動距離が少なくて済みます。
2.ベッドの介助用バーやトイレの手すりを握って座る
ベッドの介助用バーやトイレの手すりを握りながら、トイレに座ります。
3.トイレで用を済ます
ポータブルトイレの便座に深く座ったら、ベッドの介助用バーやトイレの手すりにつかまりながら身体を安定した状態に保ちながらトイレを済ませます。そして、再び介助用バーを持ちしっかりと体を安定させながら、立ち上がってズボンを引き上げます。
ポータブルトイレを使用し排泄をすることはある程度の危険性がございます。したがって、使い慣れていない方や足元がおぼつかない方で、1人でのポータブルトイレの使用に対して少しでも不安や危険性がある方は、無理をしないで下さい。リハビリの先生や医師の指導の下、しっかりと1人でポータブルトイレを使用できるかどうか確認した上でご使用ください。
3.自力でお尻を横滑りさせてポータブルトイレを利用する方法
立ち上がるのがやや困難な人は、片側の手すりのない・手すりを上げられるポータブルトイレを使うと、身体を横滑りさせて利用することが出来ます。腰を持ち上げなくても、スムーズにベッドからトイレまで移動しやすくなります。
1.トイレをベッドに密着させる
ベッドの横に隙間の内容にポータブルトイレを置いておきます。
2.ズボンを下ろす
ベッドに座ったままマヒのない方の手でズボンを太ももまで下ろします。
3.お尻をずらしトイレに移動する
お尻を横滑りさせて、ベッドから便座に移動します。
その時は焦らず少しずつお尻を移動させることが安全に移動するためのコツです。
4.トイレで用を済ます
トイレを済ませたら、ズボンを元に戻し、ベッドにお尻を横滑りして戻ります。この時も焦らず少しずつお尻を移動させてください
4.介助でポータブルトイレを利用する方法
介助者と要介護者の身体を密着させて立ち上がらせて、ポータブルトイレに座らせます。その時は必ず「今から立ちますよ。」などのお声掛けをするなど不安を取り除きながら移動しましょう。
1.本人に身体を密着させ抱き付いてもらう
本人の前に立ち、両ひざの間に介助者の膝を入れて本人に抱き付いてもらいズボンの後ろを握ります。ポイントとしては、介護者・要介護者の身体をしっかり密着させると少ない力で抱えられ、腰を痛めるリスクが減ります。
2.立ち上がらせる
身体を密着させながら立ち上がらせます。ポイントとしては、①足に力を入れることができる人は、一緒に地面をけってもらうと、負担が少なく済みます。②身体を密着させ立ち上がらせるときは、要介護者の身体を自分の身体に引き寄せる感じで立ち上がらせると少ない力で介助でき腰を痛めるリスクを減らせます。
3.立ち上がったままズボンを下ろす
背中を支え身体を密着させたまま片手ないしは本人がズボンを下ろします。この時あまり無理をし過ぎずおろせるところまで下ろしましょう。後でポータブルトイレに座ったときにしたまでズボンを下ろしましょう。
4.便座に膝の裏をふれさせます
ズボンを太もも付近まで下ろしたら、本人の膝の裏を便座に触れさせます。(後ろ向きのまま腰をおろし便座に座ることは、本人にとって凄く不安なこのですので、足が便座に触れる感覚を持ってもらうと安心して腰が下ろせます。)
5.身体を密着させたままゆっくりと便座に腰を下ろします
急に下ろすとポータブルトイレからすべりおちたり、変に力が足に加わったりしてしまい骨折やねん挫の原因となってしまいます。したがって、移動時はゆっくりと慎重に声かけをしながら腰を便座に深く下ろしていきましょう。
6.ズボンを膝までおろす
太ももまで下ろしていたズボンを膝まで下ろします。最終的に便座に腰を掛けら状態でズボンを下ろせばいいので、3-5の立位の状態でズボンを下ろす時は無理をしないようにしてください。
7.トイレで用を済ましてもらい、ズボンを引き上げる
用を済ませてもらい、座った状態で太もも付近までズボンを引き上げます。この時ズボンをなるべくあげておくとベッドへの移乗がしやすくなります。
8.身体を密着させたちあがらせ,ゆっくりとベッドに下ろします
身体を密着させ立ち上がらせます。この時、ズボンを始めと同様ズボンを持って移動できる状態ならそうして移動すると少ない力で移動できます。ズボンを持てない場合、介助者は要介護者の脇の下に両手を入れ抱き付いた形で体を密着させるとベッドへの移乗がしやすくなります。
この時も急に下ろすとベッドから滑り落ちたり、変に力が足に加わったりしてしまい骨折やねん挫の原因となってしまいます。したがって移動時は、ゆっくりと慎重に声かけをしながら腰をベッドに深く下ろしていきましょう。
まとめ
ポータブルトイレを利用することは、排泄レベルを維持・向上させ本人の自信のアップや介護負担を軽減させるためにも非常に有効なアイテムです。また、しっかり便器に座ってすることで得られる排泄の爽快感も味わってもらえます。
しかし、いったんベッドから離れて行うということもあり、移動時には細心の注意が必要です。介助者は、しっかりと要介護者がポータブルトイレを使った排泄が出来るような環境を整えてあげましょう。
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