認知症やパーキンソン病の原因|レビー小体の正体に迫る!

レビー小体

レビー小体型認知症やパーキンソン病は、「レビー小体」という特殊な蛋白質たんぱくしつの異常蓄積が原因で発症する病気です。

つまり、「レビー小体」が異常蓄積することで、脳の神経細胞が傷つき死滅し、その結果神経系の働きを低下させ、レビー小体型認知症やパーキンソン病の症状が現れます。

しかし、いまだ「レビー小体が脳内に形成され、広がっていくプロセス」の全容解明とまでは至っていません。 ですが、今までの「レビー小体」の研究により多くのことが分かってきています。そして、つい最近も「レビー小体」に関する新たな真実がまた1つ発見されました。

この記事では、新たな研究報告も含めて、レビー小体型認知症やパーキンソン病の原因である「レビー小体」の成り立ちに迫っていきたいと思います。

神経細胞
神経系を形成する細胞。脳や脊髄は無数の神経細胞で作られている

レビー小体の形成プロセス

レビー小体の形成プロセス

冒頭でも説明した通り、レビー小体型認知症やパーキンソン病の原因は、脳内における「レビー小体」の異常蓄積です。とはいっても、一体なぜ「レビー小体」が脳内で異常蓄積してしまうのでしょうか。

それでは早速、これまでの研究報告も交えながらその謎に迫っていきたいと思います。

αシヌクレインの異常構造化・蓄積がレビー小体を形成する

脳や脊髄は、無数の神経細胞から成り立っています。神経細胞の中には、様々な種類の蛋白質が存在しています。その蛋白質の中の1つである「αシヌクレイン」が異常構造化し、円形状に蓄積することで「レビー小体」が形成されてしまうのです。

「αシヌクレイン」は、本来無害な蛋白質として知られています。しかし、何らかの理由で「αシヌクイレン」が異常構造化、蓄積することで「レビー小体」という有害な構造物が出来上がってしまうのです。

今まで、「αシヌクレインが異常構造化、蓄積しレビー小体を形成すプロセス」までは解明されていませんでした。ですが、つい最近そのプロセスに関する新たな研究報告が発表されました。

国立精神・神経医療研究センターの研究報告-糖脂質がαシヌクレイン蛋白質の異常構造変化の原因

レビー小体型認知症の発生メカニズム

引用:国立精神・神経医療研究センター

2015年9月16日に国立精神・神経医療研究センターの永井義隆室長、鈴木マリ研究員らの研究グループにより、「レビー小体の形成プロセス」に関する新たな研究報告が発表されました。研究報告の内容は次になります。

  • 糖質分解酵素の1つであるGBA(グルコセレブロシダーゼ)の機能低下により、分解されるはずの糖脂質のグルコシルセラミドが異常に蓄積していた。同時に、レビー小体の原因であるαシヌクレインタンパク質が異常構造化していた
  • 糖脂質(グルコシルセラミド)が直接作用してαシヌクレイン蛋白質の異常構造化を引き起こしていた

つまり、「αシヌクレインが異常構造化し、蓄積を促進し、レビー小体を形成するプロセス」を分かりやすく説明すると次のようになります。

  1. GBA遺伝子の変異や機能の低下により、糖脂質が分解されず異常に蓄積する
  2. 異常蓄積した糖脂質が、αシヌクレインタンパク質の異常構造化・蓄積を促進し、レビー小体を形成させていた

GBA遺伝子の変異とパーキンソン病やレビー小体の関係性

以前から、GBA遺伝子の変異を持つ場合、パーキンソン病やレビー小体型認知症を発症しやすいことは報告されていました。

  • パーキンソン病は、約5倍発症しやすくなる。パーキンソン病患者の約7%がこの遺伝子変異を持つ
  • レビー小体型認知症は、約5~8倍発症しやすくなる

それに加えて、今回の研究報告でGBAの遺伝子変異という先天的な因子だけが、パーキンソン病やレビー小体型認知症の原因ではない可能性があることが分かりました。遺伝子変異以外に「レビー小体」の因子として考えられるのでしょうか?その因子とは「加齢」です。

加齢によりパーキンソン病やレビー小体型認知症の発症リスクが高まる

加齢,老化

以前からGBAの機能低下は「加齢」によっても起こることは報告されています。また、パーキンソン病やレビー小体型認知病の患者のほとんどは高齢者です。GBAの機能低下と加齢には相関関係が見られます。

このことからも、分かる通り「レビー小体」の危険因子は、GBA遺伝子変異を持つという先天的な因子だけでなく、加齢といった後天的な因子により、パーキンソン病やレビー小体型認知症を発症する可能性が高いことが解明されたのです。

今後のパーキンソン病やレビー小体型認知症の治療・予防法の開発

パーキンソン病治療薬

それでは、今回の研究がどのようにレビー小体型認知症やパーキンソン病の治療・予防に活かされていくのでしょうか?

今後おそらく、GBA酵素の活性化や糖脂質を抑制する治療薬の開発により、レビー小体の形成を阻害することで、レビー小体型認知症やパーキンソン病の治療・予防が期待できるかもしれません。

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