夢の国~回想 Part-2

yume

どうしたことか?先ほどまで元気に歩いていた父の様子がおかしい。

目の焦点が定まっていないばかりか、自分自身が今どこにいるのかさえ理解できていないのだ。小学生の私には、父がまるで酒を飲んで泥酔してしまったかのように見えた。

母はゆっくりと父の手を引いて、ベンチの側の木陰に連れていった。

「お父さん大丈夫?お父さん大丈夫?」「ここがどこか分かる」私と龍也が今にも泣きそうな表情で必死に父に語り掛けた。しかし、父は「う・・うん、うう・・・ん」「どこうぉ・・やぁ~」と声にもならない声で返答していた。

そんな、父を目の当たりにした私と龍也は、なお一層必死に泣きじゃくりながら懇願するように声を掛け続けた。一方で、母は至って冷静に3人の様子を見守っていた。

2~3分経過がしたころだろうか、徐々に父の意識が回復してきたのが分かった。

「お父さん大丈夫?」

「うん大丈夫」

「ここどこか分かる?」

「遊園地やろ」

父は、私たちを見据えながら先ほどまで答えられなかった質問にしっかりと答えられた。その様子をみて、私と龍也は父の意識が戻ったことに対し、ほっと安心したとともに歓喜した。しかし、その喜びの感情と入れ替わるように、ある1つの疑問が私の脳をゆっくりと支配していった。

「今のは何なんだったんだろう、父はどうしたんだろう?」

その疑問に私の脳が支配されたその瞬間、母が口を開いた。

「あなたたちに知っておいてほしいことがあるの・・・お父さんは・・・」

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