たばこは血圧の大敵!一本の喫煙だけでも様々な病気の危険性を高める

「たばこは百害あって一利なし」。喫煙は循環器病や動脈硬化症の最大の危険因子です。

喫煙は、肺がんや脳梗塞、脳出血、糖尿病、心筋梗塞などを引き起こす要因となります。たばこに含まれるニコチンや一酸化炭素などの有害物質が血圧を上げる作用を持っている為です。また、1本吸っただけでも血圧は上昇し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが大変高くなるので要注意です。

1.ニコチンと一酸化炭素が血圧を上げる

タバコを吸うとタバコに含まれるニコチンが交感神経を刺激して血管が収縮します。それと同時にニコチンは血圧を上げるホルモンを放出させるように促します。

また、「一酸化炭素」がタバコの煙とともに肺の中へ入ります。そして、「一酸化炭素」が、「酸素」と血液中の酸素を運ぶ「ヘモグロビン」との結合を邪魔します。すると、全身へ送られる酸素の量の減少を防ごうとして、心臓が血液を大量に送り出してしてします。それと。同時に血圧も上昇してしまうのです。

たばこ一本の害

たばこ1本吸っただけで、次のような弊害が出てきます。

  • 収縮期血圧が10~20㎜上昇
  • 心拍数が10~20上昇

しかも、喫煙の影響時間は15~20分くらい持続すると言われています。高血圧があって喫煙する人は、喫煙しない人と比べて、3~4倍も脳梗塞や心筋梗塞などの虚血性疾患で死亡するリスクが高くなることが分かっています。

特に、朝のたばこは悪影響

特に、朝起きたばかりの喫煙はニコチンの吸収量も高く、血管にも強く作用します。

  • 収縮期血圧30~50㎜
  • 心拍数が20~30上昇

タバコによって一時的に血圧は上昇しますが、慢性的に影響するかどうかは分かっていません。しかし、1日に数十本も吸っていれば、血圧に影響しないわけがないことは容易に想像できます。

たばこは血圧の薬の効果を下げる

また、喫煙すると高血圧の治療薬である降圧薬の効き目が悪くなることも分かっています。降圧薬の1つであるβ遮断薬を服用している人が喫煙すると、血圧を上げるばかりか薬による高圧効果も得られなくなります。

2.喫煙が脳卒中や肺がんなどの様々な病気を引き起こす

たばこは高血圧だけでなく、身体全体にさまざまな悪影響を及ぼします。

喫煙は悪玉LDLコレステロールを増やし、善玉HDLコレステロールを減らすことで動脈硬化を悪化させます。あるデータでは、たばこを吸う本数が増えるほど中性脂肪が増え、善玉HDLコレステロールが減るという結果も出ています。

また、血液中の酸素量を低下させ血栓を作りやすくして、脳卒中や心筋梗塞のリスクも高めます。さらには肺がんや呼吸器系の病気も引き起こしやすくします。喫煙は、それ自体が心血管病の危険因子の1つです。喫煙をする人はたばこが血圧をあげるだけでなく、身体全体に様々な害を与えることをしっかり覚えておいてください。

たばこを吸っている人は真剣に禁煙に取り組んでほしいものです。

3.副流煙と受動喫煙の害

たばこの煙には吸った人が自分で吸い込む煙(主流煙)と周囲に流れる煙(副流煙)があります。副流煙の方が主流煙よりも有害物質を多く含んでいて、喫煙しない人でも、周囲の人がたばこを吸っていてこの副流煙を吸ってしまうことを受動喫煙と言います。受動喫煙によっても冠動脈疾患発症の危険性が増加し、糖尿病のリスクが高まることが分かっています。

動脈硬化症の予防の為にも喫煙および受動喫煙を避けることが大切です。

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