最高のシルバーカー・歩行車を見つけるコツ
街中で、お年寄りが「オシャレでカラフルな手押し車を持っていたり」、「それに腰を掛けていたり」、「買い物したものをカゴに入れたり」している光景を見かけたことはありますよね。
「あれ欲しいな・・」「あれ、おばあちゃんにプレゼントしたいな・・・」と思っても、「あれ」の正式名称を知らない人は意外と多いと思います。
実は、あの手押し車の名前は”シルバーカーや歩行車”と言われる歩行補助具です。
無事に正式名称は分かりましたが、まだまだシルバーカーや歩行車に関する疑問や悩みは尽きないと思います。例えば・・・
- 「シルバーカーと歩行車の違いは何?」
- 「どのような種類があり、どのようにして選べばいいのでしょうか?」
- 「おしゃれで人気なシルバーカーを教えて!どこで販売しているの?」
- 「シルバーカーや歩行車は介護保険でレンタルできるの?」
このような「シルバーカー・歩行車」に関する多くの疑問や悩みを、ズバズバ解決していきたいと思います。是非ご一読下さい。
<目次>
- シルバーカー・歩行車とは
- お年寄りの歩行をサポートし転倒を防ぐ道具
- 歩行車とシルバーカーの違い
- シルバーカー
- 利便性の高さと豊富な種類が魅力
- 歩行もある程度補助できる
- 歩行車
- 最大の魅力は安定性の高さ
- シルバーカー・歩行車の選び方と調整のポイント
1.シルバーカー・歩行車とは
お年寄りの歩行をサポートし転倒を防ぐ道具
高齢者のケガは、非常に厄介です。治りも遅くそのまま寝たきりになってしまうケースは非常に多いです。
その為、人間は足腰が弱くなると転倒を予防するために杖を突いて歩きます。シルバーカーや歩行車も杖と同じく、歩行をサポートする道具の1つです。
転倒予防以外にも、シルバーカーや歩行車の利用には次のようなメリットがあります。
- 体重を一部預けることで、足に掛かる負担を減らせる。
- 身体のバランスを保ち、安定して歩ける。
- シルバーカーや歩行車にはカゴが取り付きのタイプが多く、手に買い物袋をぶら下げるよりも、買ったものカゴに入れて転がせるので負担が軽くなる。
このように多くのメリットがあるシルバーカーや歩行車は、荷物を持つのが嫌な人、重い荷物が持てない人、休みながらでないと歩けない人、日常の買い物や散歩などをしたい人、腰が曲がって杖では不安定な人にオススメのアイテムです。
シルバーカーと歩行車は、基本的に四輪キャスターとブレーキが付いていて、主に屋外で使用するものです。屋内では歩行器を使います。
シルバーカーと歩行車の違い
実は「シルバーカー」と「歩行車」は、似たような形をしていますが別物です。
両者を大別するとシルバーカーは歩行能力が高い人向けであり、歩行車は歩行能力が低い向けの道具です。
この違いは、シルバーカーは「買い物や私物の運搬」や「椅子代わりにして休憩」する道具であるのに対し、歩行車は「杖で歩行が困難な方の歩行補助」する道具であるという、それぞれの使用目的の違いによるものです。
両者の違いは、歩行車とシルバーカーを使って歩く姿を見比べれば理解しやすいです。歩行車では、身体を囲い体幹を起こすことで直立姿勢になるのに対し、シルバーカーでは身体は囲わないので少し腰を曲げた前傾姿勢になります。
したがって、パーキンソン病や片麻痺など自立歩行が困難で介助が必要な人にとっては、シルバーカーよりも歩行車の方が、歩行の補助になり安全性が高いです。
そういった理由から、歩行車が介護保険の福祉用具貸与という制度を利用してレンタルできるのに対して、シルバーカーは介護保険の対象外となっています。
対象者 | 重視する機能 | 介護保険【レンタル】 | |
---|---|---|---|
シルバーカー | 歩行能力が高い人 | 物を運ぶ機能 | レンタルの対象外 |
歩行車 | 歩行能力が低い人 | 歩行を補助する機能 | レンタルの対象 |
歩行を補助するという意味では歩行車が適していますが、重量、大きさ、デザインなどからシルバーカーが好まれることが多いと言えます。
さて、歩行車とシルバーカーの違いを学んで頂いたところで、更に各々の特徴や種類について見ていきましょう。
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2.シルバーカー
シルバーカーは、あくまでも自立歩行ができる人が利用します。
例えば「自力で歩いて近所のスーパーに買い物に行けるが、途中で疲れたり荷物が重くて持つのが辛かったりする人」が主な対象です。その為、片麻痺やパーキンソン病などで歩行が不安定な人には向かず介護保険のレンタル対象外ですが、シニア世代から絶大な人気を獲得しています。
※介護保険の対象外ですが、補助金の支給が受けられる自治体もあります。
利便性の高さと豊富な種類が魅力
シルバーカーは、日本の乳母車(ベビーカー)を参考にした日本発祥の用具と言われています。以前は「歩行補助車」と呼ばれていましたが、歩行車との誤解を生まない為に「シルバーカー」へと名称が変更されました。現在では介護時代の波に乗り、「象印」や「島製作所」、「幸和製作所」など多くのメーカーが様々な製品を出しています。
シルバーカーの特徴は、何といっても「利便性の高さ」と「ラインナップの豊富さ」でしょう。
- シルバーカーは押し手を持って歩け歩行がしやすく疲れにくくなる
- 疲れた時は、座面(荷物を収納するカゴの上)に腰を掛けて休める
- カゴに買ったものを入れられる(クーラボックスが付いているタイプもあります)
- 折りたたみ式でコンパクトに収納できる
- アルミ製やスチール製で錆びにくく軽量なタイプがある
- 柄やカラー、形状などが豊富でデザイン性が高い
したがって、利用者の希望条件に合ったシルバーカーがきっと見つかるはずです。男性でも使用できるシルバーカーも徐々に登場してきました。それでは、実際にどのような種類のシルバーカーがあるのかご紹介していきます。
コンパクトタイプシルバーカー
軽量でコンパクトなシルバーカーです。軽量なので持ち運びに便利で、お散歩やショッピングに最適です。大きなシルバーカーは嫌という方にオススメです。狭い道での歩行や、車・電車などでもお使い頂けます。ただし、収納力は限られています。
ミドルタイプシルバーカー
大きすぎず小さすぎず、お買い物などに便利な収納力を持ちながら、ほどよく軽いサイズ感が人気のシルバーカーです。「たくさん買い物をしたいけど、軽くて持ち運びがしやすいシルバーカーが良い」といった欲張りな方のニーズにも答える万能タイプのシルバーカーです。
スタンダードタイプシルバーカー
ビッグタイプなので、歩行時の安定性が抜群なシルバーカーです。カゴは大容量で、座面が広くゆったりと座ることが出来ます。買い物を沢山する人に最適です。
アルミカー
若い年齢層にも人気が高く、幅広いご利用者様に好まれるシリーズです。 ショッピングカートのような感覚のイメージを持たれ るスタイリッシュなワイヤーカータイプのシルバー カーです。何より大容量なタイプです。汚れを気にせず、様々な荷物を運ぶことが出来るのも長所です。
ショッピングカー
主に買い物に使用したい方に最適です。荷物を持つ負担を和らげます。引くタイプや、押すタイプの物があります。軽量タイプでおでかけの際に引っ張って荷物が持ち運べます。
歩行もある程度補助できる
シルバーカーのハンドルは横型で、後輪より更に後ろになっているタイプが多いので、歩行車よりも体を支える力は弱く安定性は劣ります。しかし、腰の曲がった人が腰を前方に伸ばし手「すがるように」持つとちょうど良い形になり、腰の曲がった人では杖以上に楽に歩行できます。
3.歩行車
最大の魅力は安定性の高さ
歩行車は歩行に不安を感じる方が、 体重を支えながら移動するための車です。
歩行車の最大の特徴は、何といっても歩行を安全にサポートしてくれる安全性の高さです。歩行訓練などにも利用されます。
歩行器の安全性の高さの秘密は、体重を支えられる丈夫な構造にあります。
歩行器のハンドルは、コの字 (U字) 型で身体をその中に入れ込める構造になっています。このコの字型のハンドルは、3方向から体幹を囲い身体を預けつつ、グリップに体重をかけながら直立姿勢で、足をしっかりと前方に踏み出し移動できるので、安定性が高く転倒しにくくなります。
また、足元の広さも十分にあり、歩行時のバランスも保ちやすく設計されています。歩行車は車輪も比較的大きく、見かけより軽量なタイプが多いので、ちょっとした段差はそのまま押して通行でき、大きい段差は持ち上げて越せます。
なお、歩行車もシルバーカーと同じく、座面が付いており歩き疲れたら腰かけて休憩できます。
ですので、歩行車はパーキンソン病の方などでふらつきや歩行姿勢が崩れやすくシルバーカーでの補助に不安のある方や、筋力保持を目的としている方にオススメです。
4.シルバーカー・歩行車の選び方と調整のポイント
選び方
シルバーカーや歩行器、杖などの歩行補助具はその人の症状に合ったものを選ぶ必要があります。
- まず、自分の身体状態に応じて、シルバーカーか歩行車どちらを選択すべきか考える。
- 次に、自分の希望条件(大きさや機能)を考える。使う場所・目的を明確にして種類を絞り込む。
- 実際に展示場やホームセンター、デパート、スーパーの売り場、介護ショップなどで現物を押してみて、自分に合ったものを探す。
この流れで、理想のシルバーカーや歩行車を探してください。理学療法士や福祉用具専門相談員といった介護福祉用具について詳しい人にアドバイスを求めると失敗が少なくなります。
できれば介護ショップなどで現物を見て、SGマーク付きのあなたの体位や使用目的にあったものを選びたいものです。
調整方法
同じシルバーカーや歩行車でも押し手の高さが合わないと、前屈気味になったり、身体を支える腕に力が入らなくなったり疲れやケガを招く原因になります。したがって、身長や腰の曲がり具合は人それぞれ異なりますので、シルバーカーの押し手の高さを変える必要があります。
では、どれくらいの高さが最適なのでしょうか。シルバーカーの押し手の高さは、腰を真っ直ぐにした位置から、肘を約45°軽く曲げた位置と言われています。ただ腰の曲がった人がシルバーカーを押す場合の高さは、肩の高さと言われています。
押し手の高さ位と軽視せず、専門家とよく相談してあなたに合った高さに調整しましょう。