認知症の為の「介護保険制度サービス+α」を上手に利用しよう

認知症の介護では、本人の介護生活からの自立を支援するとともに、本人や介護者さんも家族全員が安らかにお家で生活を過ごせることが何より大切です。

認知症は、時間の経過とともに症状が進行していきます。家族と離れて一人で暮らしている人の場合、家族が気が付いたときには、1人での生活が困難な状態になっていることも少なくありません。

家族だけでの介護やケアは、いずれ限界が来てしまいます。介護者さん自身が介護疲れで倒れしてしまう前に、早めに対策を練っておくことが大切です。その為の対策として、大変重要なの役割を担うのが介護保険制度です。

この記事では、「認知症の介護に役立つ介護保険制度」についてご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

1.介護保険制度の重要性

日本の介護保険制度は、家族だけでは対応が難しい介護やケアを社会全体で支えていく仕組みになっています。

介護者さんの中には、「親や配偶者のケアを他人に任せたくないな・・・」「任せるのは後ろめたいな・・・」などの思いから、最後まで家族だけで介護を頑張ろうとしてしまう人もいると思います。

しかし、一人だけの無理した介護を続けて、介護疲れで共倒れになってしまったという話はよく聞きます

そうならない為にも「日中のお母さんの面倒は、デイサービスの方で見てもらう」「入浴は介護サービスを利用する」など、上手く介護保険サービスを利用していただければと思います。

日常生活の一部だけでも他人の手を借りることで、無理なく在宅介護を進められるのであれば、そこは割り切って介護サービスを利用しましょう。それでは実際に、介護保険制度を利用してどのような介護サービスを受けられるのか見てまいりましょう。

長期の在宅介護生活で介護疲れにならない為の5つのポイント

2.認知症の人にはデイサービスやデイケア

介護保険制度で利用できる介護サービスに「デイサービス(通所介護)」や「デイケア(通所リハビリテーション)」があります。

1.デイサービスやデイケアは認知症予防になる

デイサービスでは在宅介護を受けている人を対象に、レクリエーションや入浴、食事などのサービスを提供し、家族さんの介護負担の軽減や日常生活に必要な動作(ADL)を維持・向上させる支援を行ってくれます。

また、デイケアではデイサービスのサービスだけでなく、理学療法、作業療法、言語聴覚療法といったリハビリテーションにも力を入れていることが特徴です。

「デイサービス」や「デイケア」では、毎日何かしらのレクリエーションやリハビリテーションが毎日ありますので、本人の楽しみや生きがいになります。また、身体動かしたり、頭を使ったり、多くの人とコミュニケーションを取ることは認知症の予防・改善にも役立ちます。

最新の認知症予防・改善法|病変があるのに症状が出ない?その謎を紐解く

2.デイサービス・デイケア施設の選び方

しかし、中にはデイサービスになじめないことで、ストレスを抱えてしまい、かえって認知症の症状が悪化してしまったというケースも少なからずあります。

やはり、日常生活の一部を施設で過ごすわけですから、その人の過ごしやすさや、ケアを担当してくれるスタッフとの相性、サービスの良しあしを考慮する必要があります。

単に、デイサービスやデイケアといっても施設の数だけ良い点・悪い点がございます。 したがって、「空きがあるから、取り敢えずこの施設に行こう」といった安直な考えではなく、予め、本人も一緒に施設に行き施設の雰囲気や内容を見学し、本人に合う雰囲気かどうかを重視して施設を選ぶことをオススメします。

また、地域での評判を参考にしたり、ケアマネージャ―に相談してみたり、半日だけ体験入所してみるなどして、慎重に施設を選ぶことも大切です。

3.在宅介護が難しい人はグループホームを利用しよう

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、比較的安定した状態の認知症のお年寄りを対象に、少人数で家庭的な雰囲気の中で、共同生活を行う施設です。

1.グループホームの対象条件

グループホームの入所条件は、原則65歳以上、「要支援2」または「要介護1」以上の介護認定を受けている認知症患者の方で、施設の所在地と同じ市区町村の住民票がある方が対象になります。

また、「介護予防認知症対応型共同生活介護」という要支援2の人だけが利用できる施設があります。受けられるサービス内容は認知症対応共同生活介護と、ほぼ同様のサービスになっています。

2.グループホームのサービス内容

認知症と診断された高齢者が、介護職員などの援助を受けながら少人数で家庭的な雰囲気の中、生活しながら症状の改善や緩和を図るための介護を受けることが出来ます。利用者はそれぞれ買い物や洗濯物干し食事の用意、掃除など自分にできることを行い、一人ひとりの能力を生かしながら、お互いにコミュニケーションを取り合い協力し助け合って生活していきます。

基本的には、一人一部屋の個室で、台所や、食堂、浴槽などは共同での利用となっています。

5人以上9人以下の定員を1ユニットとして、1施設3ユニットまでと決められております。
スタッフ数は、入居者3人に対して1以上の介護職員を置くことになっており、夜間・深夜の時間帯には必ず1人以上が常駐し、24時間体制でサポートします。

3.グループホームのメリット

グループホームは、小人数制なので、行き届いた介護サービスが受けられるというメリットがございます。

2009年の介護保険制度改正では、グループホームの生活環境が認知症の人にとって、とても良いことが認められ、症状の改善が見られました。一人で生活するのではなく、他の利用者さんや介護職員さんとコミュニケーションや協力してゲームや簡単な読み書き・計算などのレクレーションをこなすことで、認知症の症状が予防・改善されます。

4.グループホームの注意点

全国には約1万2000か所のグループホームが存在しております。グループホームの施設選びは、デイサービスの施設選びと同じく、必ず本人と一緒に見学をし、本人が施設の雰囲気になじめるかどうかを確認してください。

また、グループホームへ入居すると、訪問・通所リハビリ・デイサービス・福祉用具貸与・住宅改修などの在宅介護サービスとの併用はできなくなりますので、ご注意下さい。

このサービスは、「生活介護」が中心で医療面には重点を置いていませんので、症状が重症化した場合など医療ケアが必要になった場合は退去しなければいけない場合がございますのでご注意下さい。

5.グループホームの利用料金

利用料金は一日単位で、要介護度や利用期間などによって決まります。

グループホームは介護サービスのついた「賃貸住宅」と考えることが出来ます。その為、介護保険サービス以外の生活にかかる(オムツ代、部屋代、食費、光熱費など)はすべて自己負担になります。1か月にかかる生活費の目安は、要介度2の人で介護保険のサービス利用料も含め、およそ15万円前後です。

メリット デメリット
リハビリテーションが充実している 症状が重度化すると退去しなくてはならないことがある
専門のスタッフが24時間常駐しており、ケアが手厚い 医療ケアには基本対応しない
レクリエーションが充実している施設が多い 利用料が比較的高い
小規模なので手厚い介護サービスが期待できる 入居するのに条件がある
認知症の改善が期待できる 逆で認知症が悪化してしまう可能性がある

4.レスパイトケアサービス

「グループホームに入所させるのはちょっと・・・親を在宅介護したい」という介護者さんもおられるでしょう。 そういう介護者さんには、介護保険で利用できるショートステイや医療保険で利用できるレスパイト入院などの「レスパイトケア」サービスを利用することをオススメします。

5. 日常生活自立支援事業を利用し、お金や重要書類の管理を安全に!

「認知症の父が振り込め詐欺に合ったらどうしよう・・・」

といった、悩みを持ちつつ一緒に同居できない介護者さんには、日常生活自立支援事業の利用をおススメします。

1.日常生活自立支援事業とは?

認知症の方や、知的障害など判断能力が不十分になっても、「住み慣れた町や地域で自立して暮らしたい」。そういう人の買い物や光熱費、ガス代などの公共料金の支払いといった「日常的なお金の管理」や通帳やハンコ、介護サービスの申し込みといった「重要書類の管理や契約の代行」を支援してくれる事業です。

さらに、元気に暮らしているのか?困ったことはないのか?見守りもしてくれます。何か大きな買い物をしたいときに相談することも出来ますし、住宅の改修が必要になれば手配してもらえます。

日常生活自立支援事業を利用することで、認知症で一人暮らしの人などが、訪問販売で高いものを購入してしまうリスクや認知症特有の物忘れで通帳がどこにいってしまったかわからなくなる心配などが少なくなります。

2.日常生活自立支援事業の利用条件

日常生活自立支援事業の利用方法としては、全国すべてに設置されています社会福祉協議会と契約を結び、生活支援員に頼む流れになっています。

相談は無料ですが、サービスは有料です。重要物の保管は1か月1000円程度です。単身者だけでなく、夫婦世帯でも支援を受けることができます。

契約条件としては、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など で判断能力が不十分な方が対象になります。なお、療育 手帳や精神障害者保健福祉手帳を持っていたり、認知症 の診断を受けている方に限られるものではありません。