変形性膝関節症〜膝の痛みを伴う病気

変形性膝関節症へんけいせいひざかんせつしょうという病気をご存知ですか?

中高年に多くみられる膝の痛みは、この変形性膝関節症を原因とするものです。命に直接かかわるような病気ではありませんが、”立位”や”歩行”等の動作を妨げ日常生活に悪影響を与えます。

そこで、ここでは、中高年に多い「変形性膝関節症」の”原因・症状・治療法”などについて解説していきます。「最近、膝が痛む、関節が動かしづらい」といった症状にお悩みの方は参考にして下さい。

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症(英語:Osteoarthritis of the knee 略称:膝OA)とは、関節軟骨かんせつなんこつ半月板はんげつばんの損傷が原因で、関節の変形や痛みが現れる進行性の病気です。膝の痛みや腫れ、関節の動かしにくさや強ばり等の症状が現れます。

日本には、40歳以上の変形性膝関節症患者が約2,530万人(男性:860万人 女性:1670万人)にのぼり、実際に痛みなどの自覚症状がある人は約800万人と推定されます。

Yoshimura N, et al. J Bone Miner Metab 2009, 27(5), 620

超高齢化社会を迎えている日本では、さらなる変形性膝関節症患者の増加が予想されます。

超高齢化社会

原因

変形性膝関節症の原因は、関節軟骨や半月板の損傷です。

しかし「なぜこれらの原因によって、膝の痛みや腫れが引き起こされるのでしょうか?」そこで、ここからは「変形性膝関節症の痛みや腫れのメカニズム」を解明していきたいと思います。

膝の痛みや腫れの原因

関節軟骨の磨耗や半月板の損傷が引き金

変形性膝関節症の痛みや腫れは、関節軟骨の磨耗や半月板の損傷が引き金となり現れます。

関節軟骨
滑らかで弾力性のある骨で、スポンジのような組織で形成されている(成分は、水分やコラーゲン、プロテオグリカン等)。大腿骨だいたいこつ(太ももの骨)と脛骨けいこつすねの骨)の接合面を覆い、厚さは3~4mmほど。”関節の動きをスムーズにする役割”や”骨と骨との直接的な接触を防止する役割”を担う。
半月板
三日月状の骨で大腿骨と脛骨の間にある(関節軟骨の一種)。衝撃を吸収するクッション的な役割、膝関節を安定させる役割を担う。

しかし、関節軟骨や半月板の損傷そのものが、直接的に膝の痛みや腫れといった症状の原因となるわけではありません。なぜなら、関節軟骨や半月板には神経や血管、リンパ管がほとんど存在せず、刺激を知覚できないためです。

それでは一体、膝の痛みはどこから引き起こされているのでしょうか?

直接的な原因は滑膜の炎症

その答えは”滑膜かつまく”の炎症です。

膝関節は、関節包かんせつほうという袋で包まれていて、その内側を覆っている薄い膜が”滑膜”です。滑膜は、関節液(無色透明の粘り気のある液体)を分泌し、軟骨に栄養や酸素を運んでいます。

滑膜
関節液の分泌や古い関節液を回収する働きがある。通常は、関節液の分泌と回収のバランスを保ちながら新陳代謝を行なっている。
関節液
水分とヒアルロン酸、栄養素、酸素が含まれている粘り気のある液体。血管のない軟骨に対し栄養や酸素の供給を担う(膝を動かすことで、スポンジ構造の軟骨に浸透し吸収される)。また、関節の滑らかな動きをスムーズにする潤滑液の役割も担う。

損傷した軟骨や半月板の破片は、滑膜や靭帯を刺激し傷つけます。すると、滑膜は関節軟骨の補修や関節内の潤滑の為に、大量の関節液を分泌します。その際、傷ついた組織を修復しようと免疫反応の一部である炎症を起こします。

例えば、風邪にかかった時にウィルスを撃退する為に、発熱し体温が上がる。これも炎症であり免疫反応の一部です。

したがって私たちの体を健康に保つ為には、炎症反応は必要不可欠なのです。しかし、実はこの炎症こそが、膝の痛みを発生さらには悪化させる原因なのです。

サイトカイン(痛み物質)の影響で炎症が悪化

なぜなら、修復のために多量に分泌される関節液には、サイトカインという炎症を悪化させる物質が含まれいるからです。これではますます炎症が悪化してしまう傾向になります。

つまり「炎症がさらなる炎症を引き起こす」という悪循環に陥るわけです。

変形性膝関節症のリスク因子

変形性膝関節症の発症リスクを高めるいわゆるリスク因子は、老化だけではありません。さまざまなリスク因子が存在します。

一次性変形性膝関節症(原因が特定できない) 年齢(老化に伴う新陳代謝の衰え、筋力低下など) 性別(40歳以上で男性42.6%、女性62.4%)
肥満 膝に負担のかかる職業、膝を酷使するスポーツ経験者
足のアライメント(O脚・X脚)  
二次性変形性膝関節症(原因が特定できる) ケガ(骨折、脱臼、靭帯損傷、半月板損傷など) 病気(関節リウマチ、骨壊死、感染性関節炎など)

日本では、一次性を原因とする変形性膝関節症が大部分を占ます。

リストからも分かるように、変形性膝関節症の発症には、膝に負担のかかる仕事やスポーツ、肥満、怪我や病気などが関係しています。つまり、膝への負担が、関節軟骨の損傷を招き変形性膝関節症のリスクを高めるのです。

また、老化に伴う筋力低下でも病気のリスクが高まります。膝関節は他の関節(股関節など)に比べ、骨同士が接する範囲が狭く、その代わりに筋肉や靭帯がサポートしています。その為、筋力低下が関節軟骨の損傷を促進し、変形性膝関節症のリスクを高めるのです。

なお、女性に変形性膝関節症が多い明確な理由は解明されていません。ですがいくつか諸説があり、女性は筋肉量が少ないこと、閉経後の女性ホルモンの減少などが影響すると考えられています。

症状

炎症

変形性膝関節症の主な症状は”膝の痛み”です。しかし、症状はこれだけではありません。炎症を起こすことにより、さまざまな症状が現れます。

発赤 患部が赤く充血する 血管が広がって充血する
腫れ 患部が膨張し腫れる 血管から、サイトカインや白血球などを含む関節液がにじみ出る
疼痛(痛み) ズキズキとした痛みが生じる 腫れにより周辺の組織が圧迫されて痛む
熱感(発熱) 患部が熱を持つ 充血などのために起こる
機能障害 患部の曲げ伸ばしが困難になる 腫れや痛み、組織の癒着などのために起こる

なお、変形性膝関節症で現れる主な炎症症状は、膝の痛み、腫れ、熱感、機能障害です。発赤は、あまり目立ちません。また、O脚の人は内側に、X脚の人は外側に症状が現れやすい傾向があります。

膝の水たまり

膝に水がたまる原因は?

しばしば変形性膝関節症の人は、膝に水がたまることがあります。

皆さんがよく耳にする膝に水がたまるという表現は、過剰に分泌された関節液が、関節内にたまったり腫れたりした状態のことを指します。この症状は「関節水腫かんせつすいしゅ」と呼ばれています。

つまり、膝の水たまり=過剰な関節液=関節水腫というわけです。なんと、炎症時には通常時の数十倍の関節液が膝にたまるのです。

通常時と炎症時の関節液の特徴
通常時 1~5ml(無色透明の関節液) ヒアルロン酸の濃度は通常で、粘り気がある状態
炎症時 20~30ml(黄ばみがかった関節液) ヒアルロン酸の濃度が薄く、粘り気が弱まりサラサラとした状態

膝に水がたまると機能障害や疼痛を招く

膝にたまった水が少量の場合、自然に吸収されていきます。ですが、多量に分泌されると吸収が追いつかず、次第に膝に水がたまり膝がはった状態になります。さらに、関節内のヒアルロン酸の濃度が薄まるので、関節液本来の潤滑液としての役割が果たせなくなります。こうなると、膝の曲げ伸ばしやしゃがむ動作が難しくなります。また、関節液は痛み物質のサイトカインを含んでいるため、さらなる炎症の悪化を招きます。

注射器で膝の水を抜き取る

したがって、膝にたまった水が自然に吸収されない場合は、注射器で水を抜き取る処置を施します。水を抜き取ることで、痛みや機能障害の改善効果が期待できます。水抜き後にヒアルロン酸製剤の関節内注射を行うと、膝の働きがより改善し、保存療法の効果が上がることが期待できます。

膝の水抜きは癖になると言われますが迷信です。水抜き後に再び水が溜まるのは、炎症を招く状態が続いている為です。

進行度別の症状の現れ方

変形性膝関節症の症状は、活動時に現れることがほとんどです。膝を曲げたり、伸ばしたり、何らかの動作をした時に症状が自覚されます。安静時にも症状を自覚するのは、病気がある程度進行してからです。

初期

急性の炎症で自覚症状が少ない

初期の変形性膝関節症の症状は、短期間で自然に治る”急性炎症”がほとんどです。また、自覚症状がそれほど強くありません。初期の段階では「運動をした後やその翌日に症状が現れるといった些細なもの」です。したがって、この段階では病気の発症に気づかないケースが多々存在します。

しかし、変形性膝関節症の初期症状を見逃さず、早期発見し、関節軟骨の磨耗を予防する治療に取り組むことで予後が良くなります。

初期症状の特徴は動き始めの痛みやこわばり

初期の変形性膝関節症の症状は「動き始めに痛みやこわばりが現れ、しばらく動いていると治まっていく」という特徴があります。例えば、起床時や歩き始め、立ち上がり時といった動き始めに症状が現れます。これは、関節液が上手く馴染んでいない為に起こる一時的な症状です。しばらく膝関節を動かすと関節液が馴染み症状が和らいでいきます。

中期

症状が強く現れ慢性化

中期になると、短期間で自然に治っていた炎症が次第に長引き”慢性化”してきます。また病気の進行とともに、痛みなどの症状が強まり自覚することが多くなっていきます。中期では、正座やしゃがむこみ、階段の昇降といった動作が困難になっていきます。

骨棘や膝の水溜まりにより、色々な症状が顕在化

軟骨の毛羽立ちや骨棘こつきょく(骨のとげ)ができると、膝の曲げ伸ばし時にガリガリという音が聞こえたり、引っかかる感覚が現れたりします。また、膝に水がたまり炎症が慢性化すると。痛みや腫れ、熱っぽさを感じるようになります。そして、炎症を繰り返すうちに滑膜は固く厚みを増し、周囲の組織と癒着を起こし柔軟性が低下していきます。

また、半月板が擦り切れた状態になると、歩行時や階段の昇降時に、突然膝がガクッと崩れる「膝崩れ」が起きるようになります。

末期

末期になると、ただ立っているだけでも痛みが現れ、やがて安静時にも痛みが現れるようになります。また、さらに痛みや機能障害が増し、自力で歩けない、立ち上がれないほど強い症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたします。変形は関節軟骨にとどまらず骨にまで進み、O脚やX脚がより進みます。

診断

変形性膝関節症の診断は特別難しいものではありません。診察と画像検査でほぼ確実に診断することができます。

しかし油断は禁物です。どんな病気でも適切な治療を行うためには、正しい診断が欠かせません。特に、変形性膝関節症は進行度や症状の現れ方の違いに応じ、治療方針が大きく変化するためです。また、変形性膝関節症を引き起こしているのが”一次性”か”二次性”か、しっかりと見極める必要もあります。さらに他の病気との鑑別診断も必要です。

変形性膝関節症の診断は、診察と画像検査の結果を総合的に評価します。

診察

問診 患者さん自身の自覚症状、ライフスタイル(職歴、スポーツ歴、既往歴=骨折、半月板損傷、靭帯損傷、関節リウマチ、痛風の有無など)、健康状態について尋ねる。
触診 実際に患部を触ったり、動かしたりして、膝の動きや痛む場所、膝水の溜まり、熱っぽさ、ぐらつき、可動域、筋力をみる。
視診 膝関節のアライメント(O脚・X脚)や起立時の姿勢、歩行時の姿勢などを観察する。歩行分析の検査では、特殊なカメラを用いて歩く様子を撮影し、歩くスピードや歩幅も含めて検査する。

疼痛やこわばりなどの症状の感じ方は、患者さんごとに異なります。そこで、JKOM(日本版膝関節症機能評価尺度)を用いて患者さん自身に評価してもらいます。

JKOM(日本版膝関節症機能評価尺度)とは、日本整形外科学会,日本運動器リハビリテーション学会,日本臨床整形外科医会によって提唱された変形性膝関節症の評価尺度です。「疼痛とこわばり」,「日常生活機能」,「全般的活動」,「健康状態」の4つの項目について患者さん自身に評価してもらいます。

画像検査

X線検査(レントゲン)

軟骨や半月板の損傷具合や関節裂隙かんせつれつげき(大腿骨と脛骨の隙間)の狭まり、骨棘や骨のう胞の有無、靭帯の損傷の有無をみる。X線検査により変形性膝関節症の進行度(病期)を評価判断する。進行度の診断基準として有名な「ケルグレンローレンス(kellgren-lawrence)分類」では、関節裂隙と骨棘からグレード0~4までの5ステージに分類する。一般的に、KL法でグレード2以上を変形性膝関節症と診断されます。

変形性膝関節症の単純X線像の進行度分類(ケルグレンローレンス分類)
グレード0(健康な状態) グレード1 グレード2
関節裂隙が十分にあり軟骨が磨耗していない。 微小な骨棘や骨のう胞、骨硬化がみられる。 関節裂隙が狭くなっている(25%以下)。明確な骨棘がみられる。
グレード3 グレード4  
 
関節裂隙がさらに狭くなっている(50~75%以上)。骨棘や半月板の損傷がより進んでいる。 関節裂隙が消えている(75%以上)。骨のズレや陥没がみられる。  

変形性膝関節症の進行とともに、軟骨は磨耗し薄くなり、段々と関節裂隙が狭まっていきます。そして、0脚やX脚も強くなり、外見的な変化も生じます。さらには、骨棘や軟骨の毛羽立ち、骨のう胞(虫食い状の穴)が出現してきます。重度の状態になると、関節軟骨や半月板がほとんどなくなり、骨同士が直接ぶつかるようになります。

より精密な検査を必要とする場合、CT検査、MRI検査を追加で実施することがあります。

画像検査による進行度と実際の自覚症状が、必ずしも等しいとは限りません。

血液検査や尿検査で他の病気との鑑別診断

他の病気の可能性を確実に排除することで始めて正確な診断が可能となります。

鑑別診断を行うにあたり血液検査や尿検査、関節液検査などを行い、関節リウマチや痛風、偽痛風、化膿性関節炎の有無を調べることもあります。二次性の場合は、変形性膝関節症の治療だけでなく、原因疾患の治療をきちんと行う必要があります。

治療

現在、変形性膝関節症を完治させる治療法は残念ながらありません。それは、一度失った軟骨や半月板が、元の状態へと修復したり、病気の進行を完全に止めたりする方法が存在しない為です。(骨髄細胞の働きで一部が再生に向かうこともある)

しかし、治療により病気の進行予防や炎症の緩和は十分可能です。

治療法は大きく2分類(保存療法と手術療法)

変形性膝関節症の治療は「保存療法」と「手術療法」に大きく分けられます。

保存療法
膝の痛みや腫れ等の症状の改善、筋力や関節可動域の維持・向上による病気の進行予防を目的とする治療法。運動療法(リハビリ)や、装具療法、体重管理、薬物療法、物理療法などがあります。
手術療法
手術により症状の緩和や関節の変形を整え治癒を目的とする治療法。関節鏡視下手術、高位脛骨骨切り術、人工関節置換術があります。

なお、実際の治療は、各人の症状や生活習慣を考慮して、複数を組み合わせて治療を行なっていきます。

ここでは、変形性関節症の国際学会(OARSI)や日本整形外科学会(JOA)、日本理学療法士学会(JSPA)といった主要組織のガイドラインに掲載されており治療効果が期待されている治療法をご紹介しています。

保存療法(運動、肥満解消、薬物など)

運動療法 筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチといったリハビリに取り組む。
生活改善 膝への負担が少ない動作、生活様式に切り替える。
体重管理 肥満の方は体重を減らし、標準体重を目指す。
物理療法 温熱(ホットパックやサポーターなど)で患部を温めたり、寒冷(氷のう)で患部を冷やしたりして症状を和らげる。
装具療法 足底板や杖、サポーターなどのアイテムを利用する。
薬物療法 内服薬や外用薬、関節内注射などで痛みを和らげたり、炎症を抑えたりする。

変形性膝関節症は、進行性の病気ですので特に保存療法が重要になってきます。保存療法により軟骨の損傷が進まないように出来るだけ予防するのです。

基本的には、装具療法や減量、生活動作の改善などで膝への負担を軽減しながら、運動療法(リハビリ)で膝を支える筋力、関節の柔軟性の維持・向上を図ります。また、痛みや腫れなどの症状に対しては、物理療法、膝の水抜き処置、ヒアルロン酸の関節内注射を組み合わせて治療します。それでも痛みが引かない場合は、消炎鎮痛薬や非ステロイド抗炎症薬などの薬物療法を試します。

手術療法(人工関節置換術など)

関節鏡視下手術 損傷した半月板や軟骨を取り除く、厚くなった滑膜や骨棘を切除する等の処置により、関節内を綺麗にする手術。
高位脛骨骨切り術 O脚またはX脚を矯正する手術。
人工関節置換術 人工関節に置き換える手術。

手術療法が選択されるのは、保存療法を試しても十分な効果が得られず、激しい痛み等の症状のせいで日常生活が送れない場合に限られます。おおよその目安としては、保存療法を3~6ヶ月続けても十分な効果が得られず、手術で効果が期待できる場合です。

ただ、手術をしたからといって変形性膝関節症が完治するという訳ではありません。また、難しい手術の場合はいわゆる名医に紹介状を書いてもらうこともあります。

変形性膝関節症の手術

最新の治療法【再生医療(幹細胞治療やSCAFF天然関節治療など)】

最近では、軟骨や半月板を修復させる再生医療が注目を浴びています。

変形性膝関節症の再生医療としては、自分自身の細胞を使用した(幹細胞治療やSCAFF天然関節治療など)などが挙げられます。「何年もヒアルロン酸注射を打っても期待した効果が得られていない方」や「人工関節を勧められているが抵抗のある方」は、一度これら最先端の治療法を検討してみると良いでしょう。

首都圏にはなりますが、『東京ひざ関節症クリニック』という、国からヒト幹細胞を用いた「第二種再生医療等提供計画」の認可を受けた病院があります。合わせてご紹介しておきますので、一度セカンドオピニオンを求め相談してみるのも良いでしょう。

再生医療で「ひざの痛み」を治療する整形外科【東京ひざ関節症クリニック】

介護予防には継続的な治療が不可欠

ロコモ・要支援・要介護・寝たきりを膝OAが招く

変形性膝関節症を発症すると膝の痛みや腫れ、機能障害等から、自由に買い物に行けない、家事ができないなど身体を動かすことが億劫になり、生活の質(QOL)に与える影響が懸念されます。さらには、過度な安静が「ロコモティブシンドローム」ひいては「要支援・要介護」、「寝たきり」に繋がる危険性があります。

要支援になる理由の第一位は「関節疾患」によるものです。

出典:厚生労働省「平成25年度 国民生活基礎調査 要介護者等の状況」

要介護になるリスクが、変形性膝関節症の発症者は未発症者の約5.7倍あります。

出典:吉村典子「日本骨形態計測学会雑誌 変形性膝関節症発生と要介護移行との関連:The ROAD Study」 2011

要支援・要介護とは

膝OAの介護・看護の注意点

したがって、要支援や要介護状態を予防する意味でも、継続して保存療法に取り組んでいく必要があります。特に、運動療法は変形性膝関節症の治療の要となります。継続的に運動療法に取り組むことで、症状が改善し図のような悪循環に陥ることなく安定した日常生活を送れるようになります。

また、介護・看護する時も、変形性膝関節症だからと過度に安静させることはやめましょう。「自分でできることは自分で」という姿勢で介護・看護することが大切です。

<参考文献>

  • 公益社団法人 日本整形外科学会
  • 公益社団法人日本理学療法士協会 理学療法診療ガイドライン第1版(2011)
  • 名医が語る最新・最良の治療 変形性関節症(股関節・膝関節)―最新の治療法で痛みがとれる!!
  • ひざの痛み 変形性ひざ関節症 (よくわかる最新医学)
  • 図解 中高年の「ひざ」の痛み―変形性膝関節症の予防と治療
  • ひざ痛の97%は手術なしで治せる (体操とインソールで治す「戸田メソッド」)
  • 変形性膝関節症―正しい治療がわかる本 (EBMシリーズ)