介護拒否と4つの対策法
「お風呂の介助や排泄介助」などを拒まれる介護拒否は、介護者にとって「自分の介護を否定されたような気持ち」になります。
熱心な介護者ほど「私の介護のやり方に問題があるのかな?」と介護拒否に傷つき、そして「私が至らないのがいけない・・より手厚く介護をしなければ!!」と意気込めば意気込むほど空回りしてしまい、お年寄りが介護を拒否するという負のスパイラルに陥ります。
負のスパイラルに陥ると介護疲れを起こし倒れてしまうことも少なくありません。
この様に、介護疲れで倒れてしまわない為にも「なぜ介護を拒否されるのか?」ここでその原因を探り、対応の仕方を確認して頂ければと思います。
介護拒否はなぜ起こるその原因とは?
介護者にとって、介護拒否は厄介な問題です。介護が必要な人に介護をすると拒まれてしまうのですから悩んでしまいます。あげくに「家に帰る」「手を出さないで欲しい」などと言われたら、介護者は自分が否定されたように感じられるものです。
その為、介護に熱心に取り組んでおられる方ほど、「自分の介護が至らない」と傷ついたり「しっかり介護しているのに何で(怒)」と本人にキツく当たったりしてしまうこともあります。
しかし、そもそもお年寄りは「なぜ介護を拒否するのでしょうか?」その原因は2つです。
- 介護者である家族や職員の介護が気に食わない、そりが合わないことからの介護拒否
- 介護をされている自分を受け入れたくないという気持ちの表れからの介護拒否
そして、多くは後者の介護されている自分を受け入れられず、ここが本来の自分のいるべき自分や場所ではないと主張していることから介護を拒むケースが多いです。
介護拒否への3つの対策法
原因が分かれば、介護者が取るべき行動は自然に決まります。お年寄りが「ここにいてもいいんだ」と感じられるような、無意識と安らげる場所を作れば良いのです。
介護拒否への対策法として次のような3つのポイントに注意しましょう。
- 良好な関係を築く
- 役割を決めお手伝いしてもらう
- 居心地のよい空間づくり
1.良好な関係を築こう
介護拒否を失くすためには、良好な関係を築くことがとても大切です。
介護の現場では、下の2つの関係を良好に保つよう配慮することが必要です。
- 介護者との関係性
- 友達との関係
介護者との良好な関係を築く為のポイントは、お年寄りが介護関係から逃れたがっているという現実を知ることです。誰でも人に介護されることは後ろめたく負い目を感じてしまいます。そんな時に、上から目線で介護するとますます介護拒否がエスカレートしてしまいます。
したがって、介護者には、ついつい上から目線で介護しがちな態度を改めて、介護者と要介護者のフラットな信頼関係を築くことが大切なのです(参考:介護の心得)。
また、身体が不自由なコトを分り合える友達作りも大切です。時には、介護される者同士で介護者の愚痴を言い合うこともストレス発散には必要なことです。デイサービスやデイケアなどに通い、自分の痛みを分かち合うことが出来る友達を見つけてもらいましょう。
2.役割を決めお手伝いしてもらう
介護される側は、どうしても受け身になりがちで自分の思い通りに事が運ばずストレスが溜まっていることも少なくありません。
どうしても受け身になってしまう要介護者のストレスをどうしたら解消することが出来るのでしょうか?
それは、役割を作りお手伝いしてもらうことです。人は、他者に褒められたリ感謝されることに喜びを感じる動物です。
したがって、例え身体が不自由であっても「お箸配り」や「台拭き」などほんの些細なことでいいので役割を作って手伝ってもらいましょう。そして、多少上手くできていなくても、お手伝いが終わったら必ず感謝の気持ちを伝えましょう。
お年寄りは、お手伝いし感謝されることで、自分の存在意義を再認識し介護拒否がなくなることがあります。
3.居心地のよい部屋作り
お部屋作りにも気を使っていますか?ベッドと介護に必要な最低限の物だけが置かれた殺風景なお部屋ではないでしょうか?
ついつい介護をしていると必要な物だけの殺風景な部屋になってしまいがちです。本人にとってはこの殺風景な部屋は「いかにも介護、いかにも病院」というネガティブな印象を与えてしまうことが少なくなく、介護拒否に繋がっている原因の1つです。
したがって、本人の私物や思い出の品をディスプレイした個性的で居心地の良い部屋作りをしましょう。
4.時には見守りも大切
介護拒否をしている方は、「今まで一人で出来ていたことが出来ない自分自身」に憤りを感じている場合が多いです。したがって、本人が自分でやりたいと意思を持っている場合、そっと見守るということも大切です。陰でこっそりと危なくないか見守り、助けを求められた場合に直ぐに介助に出かけるようにしましょう。
まとめ
介護拒否の3つの対策法を実践して、介護者と要介護者双方が共に気持ちよく過ごせるようにしましょう。
- 良好な関係を築く
- 役割を決めお手伝いしてもらう
- 居心地のよい空間づくり
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