親や配偶者を在宅介護する上で心得るべき2つのポイント

若い頃の元気なイメージがあるので、年老いていく親の姿を見て、なかなかその現実を受け入れられないものです。また、本人も自らが老いていく現実を受け入れたくないと思います。

だんだんと介護が必要となっていく現実を「受け入れられない」「受け入れたくない」という気持ちは、当然のことだと思います。この様な気持ちは、反骨精神となり、リハビリに積極的に取り組めるなどプラスに働きます。

しかし、あまりにも過剰にこういった気持ちが強すぎると、在宅介護を進めていく上で、本人や介護者の「ストレス」や「リハビリの妨げ」「引きこもり・孤立」の原因となってしまいマイナスに働いてしまうこともあります。

この記事では、プラスの方向に向かっていくための在宅介護の心得について詳しく解説しております。

1.介護の現実を受け入れられない事が原因で発生する問題

介護を必要とする現実をいつまでも受け入れられないと次のような弊害がでてくるかもしれません。

  • 「満足に歩行できない惨めな姿を見せたくない」と家に引きこもる・・・外からの刺激や運動する機会が減ることにより、衰えに拍車がかかります。
  • 「以前はできていたのに・・・何とかしてできるはずだ」と叱りつけたり過度の期待を抱く・・・介護者は過度の期待を本人にかけることで、その理想と現実とのギャップにますます悩み苦しむ悪循環に陥ります。また、その怒りや焦燥感が、本人に向けられることで心に深いキズを抱かせてしまいます。
  • 「まだまだ元気なはずだ」とリハビリや介護予防に積極的に取り組まい・・・リハビリは、早急かつ継続が大切です。せっかくの治療の機会を棒に振り、気が付いたころには取り返しのつかないこともあります。

このように介護を必要とする現実を受け入れられない気持ちがマイナスとして働いてしまうケースが多々あります。著者も母親の介護をし始めたとき、寝たきりの母に本人が嫌がっていようと何だろうと無理やりリハビリを強要し、逆に母のリハビリに対する意欲を削いでしまったという経験があります。

それでは、どのようにしたら介護が必要な現実をしっかりと受け止め、良い方向に進めるのでしょうか?

2.介護を受け入れ前進する2つのポイント

1.まずは、介護をオープンにすることから始めよう

ついつい人は他人の目を気にしてしまいます。他人の眼ばかり気にしていると「惨めな姿を人前にさらしたくない」と考えると次のようになりがちです。

  • 1人で介護を抱え込んでしまう
  • 引きこもらせてしまう

外出や他人との触れあいといった「外界からの刺激」は、機能回復や介護疲れにならない為には必要不可欠なことです。障害を持ったことは残念なことですが、事実は事実として受け入れオープンにすることで早く立ち直ることが大切です。

少子高齢化のこの時代、数十年後には介護される人が巷に溢れかえっているはずです。「自分はみんなの先を行っている」というくらいの気持ちで思い切って外に出かけてみてください。

  • 見ず知らずの人がドアを開けてくれた
  • 見ず知らずの人が車椅子を押してくれた

きっと今まで気づかなかった、人間の温かさを感じることも多いはずです。こういった優しさを励みに介護を頑張れるはずです。

2.介護のプロの助けを借りたり、アドバイスをもらいましょう

まず、介護者が現実を受け入れましょう。
そして、「どの程度まで回復するか」「どのように介護すれば回復するか」といったことを、お医者さんやリハビリの先生など医療関係者の客観的な意見を聞きましょう。

こうすることで次のようなメリットが受けられます。

  • 介護者の負担が軽くなる
  • 専門家ならではの適切なアドバイスやサービスが受けられる
  • 介護の大変さを理解し、介護のよき理解者、相談相手となってくれ、心の負担も軽くなる

この様に、本人の現状に合わせた治療やリハビリを受けることが回復への一番の近道です。

案外、本人も、身近な家族がリハビリ等に関して熱心に働きかけるよりも、、他人でありその道のプロであるリハビリの先生やお医者さんのアドバイスや指導なら素直に聞入れるものです。 もしかすると、あなたはちょっとした嫉妬を感じてしまうかもしれません。しかし、それが現実です。

もし、あなたが「私が元気にするんだ!!」といってリハビリに介入したいと思っていても、ただ闇雲にリハビリをさせてはいけません。逆効果になることがあります。

そういう時は、専門家の適切なアドバイスを聞き、ちょっとしたリハビリの方法を教えてもらい、本人に寄り添う形で、リハビリに付き合うのが良いでしょう。その方が、本人も家族の優しさや気持ちを実感し、リハビリや治療へのやる気の向上に繋がっていくはずです。